山口県美祢市に広がる、日本最大級のカルスト台地「秋吉台(あきよしだい)」。
その地下には、何億年もかけてつくられた、400以上の鍾乳洞が広がっているといわれています。

中でも大正洞(たいしょうどう)は、有名な秋芳洞(あきよしどう)とは趣が異なり、狭い場所や天井が低い場所を進む「探検気分」を味わえるのが魅力。
涼しい洞内で、大人も子どももワクワクすること間違いなしです!

この記事では、大正洞の特徴や見どころ、料金などをご紹介します。

大正洞・名前の由来と特長

大正洞受付へ続く道

大正洞は、大正時代に発見されたことからその名前が付けられた鍾乳洞。

戦乱の際、民衆が飼育している牛を奪われることを恐れ、この洞窟に隠したことから「牛隠しの洞」と呼ばれていました。

大正洞は約1キロの立体的な洞窟で、竪穴で5層の洞窟がつながっています。

広々とした秋芳洞とは異なり、洞内には狭い場所や天井が低い場所も。
その分、ドキドキの探検気分を味わえますよ。

大正洞入口看板

大正洞では、受付で携帯解説機「マグシーバー」を受けとって、音声の解説を聞きながら進みます。
暗い場所もあるため、懐中電灯の貸出もあります。

探検気分を満喫・大正洞の見どころ

入り口までの道のりもワクワク

大正洞受付から鍾乳洞の入り口まで、徒歩5分くらいの距離があります。

大正洞受付から洞入口へ続く森の道

ジブリの世界を思い出させるような森の中を進んでいくと、どこからか冷たい空気が流れてきます。

すぐそばを流れる沢の奥から、冷気が上がってきているようです。
まだ鍾乳洞に入る前なのに、かなり涼しくなってきてびっくりしました。

なんたん
なんたん
入り口までの道のりは神秘的で、洞窟への期待を高めてくれました!
大正洞受付から洞入口へ続く森の道

探検気分を味わえる洞内

大正洞入口

期待が高まる中、入り口を見た感想は、「あれ? これが入り口?」。

大きな入口ではなく、ちょっと横穴が開いているかのような様子は、少々期待外れのような感覚を覚えてしまいました…。

ですが、一歩中に入ると、そこには感動と探検の世界が広がっていました。

大正洞入口入って煤の大穴

入ってすぐ右手に大きな穴が。
水蒸気が立ち込める中、光が差し込んで、とても神々しい雰囲気でした。

なんたん
なんたん
こちらの穴が、本当の入り口なのかもしれませんね
洞内は照明が多くなく、暗い場所が多いのですが、その分自然そのままの姿を見ることができます。
もちろん、見どころたくさんです!

大正洞内の狭い通路「よろめき通路」

狭い通路が多い中、人ひとりがやっと通り抜けられるような「よろめき通路」。
本当によろけました…。

大正洞内の見どころ「音羽の滝」

サスペンスドラマの効果音に、その水滴の音が使われたという「音羽の滝」。

暗い洞窟の中に響く、ピシャン、ピシャンという水滴の音は、たしかにちょっと不気味かも。

大正洞内の見どころ「雪中の松」

こちらは「雪中の松」。
大正洞は、外界と通じる穴が開いているのが特徴ですね。

自然の造形も素晴らしいですが、名前を付けた方のネーミングセンスが面白いです^^

大正洞内の見どころ「獅子岩」

獅子岩。
岩と名前がついていますが、これは岩ではなくて、石筍(せきじゅん)。

床から上に向かって成長していると思うと、自然の神秘と偉大さを感じます。

大正洞内で見られるシコクヨコエビが棲む地下水洞内淵の地下水の中には、シコクヨコエビという、体長7~9ミリの無色透明なエビが棲んでいます。

暗闇の中生息しているので、目が退化してほとんどないのだとか。
環境と動物の関係を探る良い研究材料になっているそうです。

大正洞内の見どころ「さるのこしかけ」

さるのこしかけ。
上の岩のくぼみに、サルが腰かけるのかな^^

他にも見どころがたくさんありましたが、ここでは一部しかご紹介できないのが残念です。

つぶた
つぶた
あの何ともいえない神秘的な空気感をお伝え出来ないのが悲しいよ
所要時間はだいたい30~40分くらいでした。

大正洞を探検した感想

大正洞内の様子

入洞する前は、大正洞は秋芳洞よりも地味なんだろうな、あまり感動がないかもしれないな、なんて思っていました。

ですが、人がひとり通れるかどうかの空間を通るワクワク感、狭い通路から広い空間に出た時の驚き、安心感など、華やかさやスケール感がない分、自然のままの鍾乳洞を身近に感じ、また違ったワクワクを感じられる鍾乳洞でした!

なんたん
なんたん
時間があればもう一周したいって思いました

大正洞内の天井から水滴が落ちる様子何よりも感動したのは、低い天井から水滴が落ちる様子を間近に見られること。

一滴一滴したたるごとに、ほんの少しずつ岩が成長しているのだと思うと、大自然の成長を目の前に見ることができていることに大興奮してしまいました。

こぢんまりした鍾乳洞だからこそ、感じられることかもしれません。

また、音羽の滝から雪中の松に向かうあたりで、コウモリを見かけました。
夏場はコウモリを見られる機会が増えるそうですよ! 

つぶた
つぶた
コウモリがいると、いかにも洞窟探検って感じでワクワクするよね
なんたん
なんたん
うん、でも一緒に行った娘は怖がっていました…(;^_^A
また、受付で携帯解説機「マグシーバー」を受けとって、音声による洞内案内を聞きながら進んでいきます。
マグシーバーが、耳の部分がついていないものがあったり、音が聞こえないものがあったりと、受付で動作確認に少し時間がかかったのがちょっと残念でした。

受付の方はとても親切に対応してくださるので、ご安心くださいね。

大正洞を探検して感じた注意点は

  • 歩きやすい靴が必須
    大正洞は、入口までの道が舗装されておらず、階段もあります。
    洞内は高低差があり、狭い通路、段差も多々ありますので、歩きやすい靴で来られることをおすすめします。
  • 懐中電灯を持参すると安心
    足元が暗い箇所も多くあります。
    受付で懐中電灯を貸し出してくれますが、心配な方は自分用の懐中電灯を持参しておくと安心です。
  • ベビーカー、車イスでの観光は困難
    道が整備されていない場所や狭い通路が多いため、ベビーカーや車イスでの入洞は難しいです。
  • 天候による閉鎖に注意
    年中無休ですが、大雨など天候の影響で入洞できない場合があります。お出かけ前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
    公式サイト⇒山口県美祢市秋吉台国定公園観光情報

大正洞の基本情報(所要時間・駐車場など)

大正洞の駐車場

場所 美祢市美東町赤2666-1
問合せ 大正洞案内所:TEL08396-2-0605
入洞時間 8時30分~17時15分
※受付16時30分まで
駐車場 あり(無料)
(トイレ、自動販売機、食事処あり)
アクセス 【公共交通機関の場合】
・JR東萩駅から防長バスで60分(1日2便)
【車の場合】
中国自動車道道「美祢東JCT」経由小郡萩道路「絵堂IC」から車で5分
中国自動車道「美祢IC」から車で35分
観光所要時間 30~40分
その他 ※ベビーカー、車イスでの観光は難しいです。
※年中無休ですが、大雨など天候の影響で入洞できない場合があります。
お出かけ前に公式サイトで最新情報をご確認ください

大正洞の入洞料金、お得なチケット

大正洞のみの入洞料金のほか、景清洞との両洞見学料金、景清洞・秋芳洞と合わせた3つの洞窟にお得な料金で入洞できるチケットが用意されています。

ここでは個人料金をご紹介しますね。

※2025年10月1日から料金改定が行われます。今回ご紹介する料金は、改定前のものです。
新料金については公式サイトをご確認ください。
【2025年10月】秋芳洞・景清洞・大正洞の観覧料改定のお知らせ

大正洞料金

大人 1,100円
高校生 1,100円
中学生 1,100円
小学生 600円

大正洞と景清洞、両洞見学

大人 1,650円 
高校生 1,650円 
中学生 1,650円
小学生 900円

秋吉台三洞物語(周遊共通チケット)

※料金には冒険コースや探検コースの料金は含まれていません。

大人(中学生以上) 3,500円⇒2,500円 
小人(小学生) 1,900円⇒1,300円

周遊チケットの有効期間は、販売日から一年間

お得に観光したいけれども一度にすべての鍾乳洞を回われない、という方にも安心ですね。

なんたん
なんたん
わたしも周遊共通チケットを購入しました!
つぶた
つぶた
今回は大正洞しか見学していませんが、また別洞に行ける楽しみができたね

まとめ

秋吉台の鍾乳洞のひとつ、大正洞をご紹介しました。

秋芳洞には子どもたちを何度か連れて行っていたのですが、大正洞は今回初めて。
どんな反応をするかな、とちょっと気にしていましたが、娘がものすごく気に入っていたので、安心しました^^

山口県には素晴らしい自然の宝があります。
なかでも秋吉台と地下にある鍾乳洞は、長い歴史の中で培われた自然の芸術です。

県外からの観光の方はもちろんですが、山口県民で行ったことがない方も、ぜひ秋吉台の鍾乳洞に行ってみてほしいです。

大正洞のみでなく、景清洞、秋芳洞の3つの洞窟をお得に楽しんで、それぞれの良さを満喫してくださいね。
一度訪れれば、きっと大自然の神秘に魅了されるはずです!