山口県の絶景といえば、角島大橋を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
角島大橋の絶景に加えて、橋を渡った先の角島も、自然が豊かで美しい景色が広がるスポットです。
中でも角島西端に設置されている角島灯台は、重要文化財にも指定されている現役の灯台。
>日本で3つしかない無塗装の灯台のひとつであり、のぼれる灯台16基のうちの1つです。
※記事の内容は、2025年9月現在のものです。訪問される際は、公式サイトにて最新情報をご確認ください。
角島灯台とは

角島灯台は、着工から完成までに約3年を要し、1876年(明治9年)に初点灯した歴史ある灯台です。
当時の日本海側では、初めての大型灯台でした。
灯塔の高さは約30メートル。
高さ24メートルまでは、荒磨きの花こう岩の切り石を使い、その上部には切り込みを入れた切り石を装飾的に配し、柔らかい雰囲気を造り出しています。

灯台のレンズは、8面フレネルレンズの回転式。
1874年にイギリスから輸入されたもので、今も現役で使用されています。
光源の強さは670,000カンデラ。
8面フレネルレンズは、各面が強力な光を一点に集めて遠方へ照射するため光の集中度が高く、その光は約34km先まで届くとされています。
角島から直線で34㎞先といえば、長門市の仙崎や青海島、秋吉台あたり。
明治時代に造られた灯台の光が、今もそんな遠くまで届くとは。
すごい技術ですね。
角島灯台公園の見どころ
角島灯台周辺は、角島灯台公園として整備されています。
公園は広く、展望ギャラリーや角島灯台記念館、憩いの広場や散策路があるので、いろんな角度から角島灯台を眺めることができますよ。
※角島灯台記念館の見学、間近での灯台見学には、参観寄付金300円が必要になります(中学生以上)。
展望ギャラリーから見渡す日本海の景色と角島灯台
角島灯台の近くには、1階にお土産物屋さんがある展望ギャラリーがあります。
外に設置されている階段をのぼると、屋上が展望台になっていて、角島灯台や角島周辺の海を見渡すことができます。

灯台をバックに記念写真を撮るのに、最適なスポットです。
写真を撮っている人もたくさんいましたよ。
歴史好きな方におすすめ・角島灯台記念館
角島灯台記念館は、明治9年に建設された旧灯台官舎を復元した建物です。
内部には、イギリス人技師の当時の暮らしの様子やレンズ、機械の紹介、灯台についての情報などが展示してあります。

角島灯台は、明治政府がイギリスから招いた灯台技師・ブラントンの設計による最後の灯台。
ブラントンは日本の灯台26基を設計した「日本の灯台の父」といわれる人物です。

角島灯台に使われているフレネルレンズの展示もあります。
歴史を感じられるノスタルジックな雰囲気の中、灯台と島民のかかわりなどを知ることができますよ。

「夢崎波の公園」を散策しながら灯台を臨んで

角島灯台公園のそばには、「夢崎波の公園」が整備されており、海のそばを散策できるようになっています。
公園内には、ハマユウやダルマギク、水仙など、四季折々を彩る花が植えられ、訪れる人々を楽しませています。

つぎは花の見ごろに合わせて行きたいです!

季節の花を楽しみながら、海沿いを散策。
所どころに設置されている東屋やベンチが風景に溶け込んでいて、詩的な風情を感じられます。
公園から見る角島灯台は、近くから見るのとは違う、まるで絵画のような美しさ。
散策する自分自身も、詩や絵画の世界に入り込んだような気分になれますよ。

実際に角島灯台に登ってみた感想
わたしが角島灯台を訪れた日は、あいにくの小雨が降る曇天。
それでも、多くの方が灯台を訪れていました。

受付の方に、「上からスマホや帽子などを落とす方がいるので、灯台に登る場合は気を付けてくださいね」と声をかけられ、少々ドキドキ。
この日は風が強く、灯台の上はかなり風が強いだろうな、と思われました。
ですが、せっかく角島灯台に来たのだからと、高いところはちょっと苦手ですが、登ってみることにしました。
灯台の壁面に沿って設置された、105段の螺旋階段を登ります。
階段は人が一人通れるくらいの幅で、とても狭いです。
この日はお天気もいまいちで風がとても強かったこともあり、灯台に登る人は少なかった様子。
そのため、登っている間に降りてくる人とすれ違うことはありませんでしたが、もし今降りてくる人がいたらどうしよう、と、思いながら登りました。
いよいよ展望台間近というところ、最後の難関が!

上を見上げた時、思わず「…え?」と声が出てしまった私。
なんと、70度ぐらいある(ように感じた)ものすごく急な階段を、ロープを掴んで登ります!
高いところが苦手なため、意を決してロープを掴んで登りました!
しかし。
登り切ったところで強風に吹かれて弱気になり、「もう絶景はいい、登ったからそれでいい」と早々に降りることに。
見下ろす急な階段がまた怖くて、足をガクガク震わせながら、必死にロープを掴んで降りたのでした…。
最後の急な階段も、降りる人優先。
昇り降りに時間がかかるので、観光客が多い日には、ここで渋滞することもあるそうです。
角島灯台を訪れる前に知っておきたいポイント
季節や天候にもよると思いますが、風が強い時がありますので気を付けてください。
展望ギャラリーでもものすごい風でしたが、灯台を登った上の展望台は、もっと風が強いです。
受付でも、「灯台に登る際は、上から帽子やスマホなどを落とさないように気を付けてください」との注意を受けました。
それほど落とす方が多いのだと思われます。
また、灯台を登る方は、登りやすい靴、服装でおいで下さい。
最後の急な階段はとくに、ヒールのある靴やスカートでは危ないです。
身につける荷物も少ない方が良いと思いました。
角島灯台の基本情報
場所、入場料、営業時間など

| 所在地 | 山口県下関市豊北町大字角島2343-2 |
|---|---|
| 問い合わせ先 | 公益社団法人燈光会角島支所 Tel:083-786-0108 |
| 参観時間 | 3月~9月 9時~17時 10月~2月 9時~16時30分 |
| 参観寄付金 | 300円(中学生以上) ※小学生以下および障がい者(介助が必要な方は、介助者1名まで)の方はいただきません。 |
| トイレ | あり |
| 駐車場 | 周辺に有料駐車場あり(1台300円) |
| アクセス | 【車の場合】 ・中国自動車道下関インターチェンジから国道191号線、県道275号線、276号線経由 およそ1時間20分 【公共交通機関の場合】 ・JR山陰本線特牛駅下車 特牛駅~(ブルーライン交通バス)~灯台公園前下車、徒歩5分 |
| その他 | 悪天候時には灯台に登れない場合があります。 参観状況は下記サイトをご確認ください。 |
| 公式サイト | のぼれる灯台16 角島灯台(つのしま)(公益社団法人 燈灯会) |
まとめ
角島大橋の絶景とあわせて訪れたい角島灯台は、歴史と自然の美しさを一度に味わえる特別な場所です。
白亜の灯台と青い海のコントラストは、晴れた日だけでなく、曇り空の下でも心に残る風景。
登るのは少し勇気がいりますが、その分、見上げても、見下ろしても美しい景色が広がります。
季節の花や潮風に包まれながら、ぜひ角島灯台公園をゆっくり散策してみてください。
きっと、山口の海の魅力をあらためて感じられるはずですよ^^






