みちょるやっちょる踊っちょる~♪
それが、山口県以外にも、九州、四国などでも使われていると知った時は、ちょっとがっかりしてしまいました…(;^_^A
とはいえ、「ちょる」は山口県を代表する方言です。この記事では、方言「ちょる」の意味、使われている地域などについて、あらためて調べてみました。
「ちょる」はどこで使われている?
「ちょる」は山口県のほか、九州地方の東側、中国、四国地方など、おもに西日本で使われています。
山口の「ちょる」
山口県では、ほぼ全域で「ちょる」が使われています。
その証拠に(?)、山口県のご当地キャラクターは、方言「ちょる」から名前をつけた「ちょるる」です!
こんにちボクエン😀
山口らしい方言ランキング!
1位「ぶち」・・・すごく
2位「~ちょる」・・語尾につく
3位「えらい」・・・疲れたこれがわからないのは山口県民ではない!?
いろんなことばがあっておもしろいですね♪今日もお疲れ様でした🙇♂️ pic.twitter.com/szbsIgzlkG
— ともさん@秋川牧園 採用担当 (@tomo_akikawa) August 30, 2022
九州の「ちょる」
大分の「ちょん」とか「ちょる」ってつける方言かわいい〜〜。大分全域だいたい同じなのかな🤔 #大分県民 pic.twitter.com/MlanJDcSi5
— 翔んで、てんきんわいふ。 (@tenkinwife_oita) April 6, 2022
九州では、大分、宮崎、福岡(北九州や筑豊地方)、熊本(阿蘇など大分に近い地域)といった、九州の東側の地域でおもに使われているようです。
ところが詳しく調べていくと、佐賀(唐津地方)、鹿児島、長崎(一部の地域)など、東側以外の地域でも使われていることがわかりました。
広島の「ちょる」
山口県のおとなり、広島でも「ちょる」を使います。
広島県内でも、広島市内では「~しとる」を使い、「~ちょる」を使うのは呉(くれ)市周辺なのだそうですよ。
~ちょる
あっコイツ呉人やな即分かる方言— プラトン (@ho_c989163) September 27, 2019
広島と山口のおとなり、島根でも「ちょる」を使います。
鳥取では「ちょる」も使いますが、「(し)とる」を使う方が多いのだそうです。
高知の「ちょる」
高知(土佐弁)では「ちょる」を語尾に使いますが、現在は「ちゅう」が主流のようです。
今は、県西部(幡多弁)で「ちょる」が使われています。
土佐の幕末の志士・坂本龍馬の名言に、「疲れちょると思案がどうしても滅入る。よう寝足ると猛然と自信がわく」とあります(龍馬伝/司馬遼太郎著)。
龍馬も日常会話に「ちょる」を使っていたのですね。なんだか嬉しくなりますね^^
また、愛媛の南側で話されている宇和島弁でも「~しちょるがよ」のように、「ちょる」を使うそうです。
四国では南側の地方で「ちょる」が使われているのですね!
「ちょる」の意味や使われ方は?
「ちょる」は語尾につける言葉で、標準語の「~している」と同じような意味を持ちます。
とはいえ、単純に「~している」=「~ちょる」ではないようです。
標準語の「~している」には、おもに2つの意味があります。
①ある動作が進行中であること(例「今、勉強している」)、②ものごとが完了してそのまま保たれていること(例「そのことはもう知っている」)です。
これを、山口や他の「ちょる」を使う地域などでは、「~している」のおもな2つの意味によって、使い分けをしています。
①ものごとの進行を表す「~(し)よる」と、②ものごとの完了や存続を表す「~(し)ちょる」です。
標準語 | 意味 | |
「~している」 | ①進行中 | 「~よる」「~しよる」 例)今、勉強しよる |
「~している」 | ②完了 | 「~ちょる」「~しちょる」 例)もう知っちょる |
共通語の「〜している」には
①動作の進行(今読んでいる)
②動作が完了した後の結果(既に読んでいる=読み終わった)
のふたつの意味があり、山口弁はこれを
①〜しよる
②〜しちょる (〜しておる からの転訛)
で区別しますが、最近では区別しない人も増えてきています。— 山口弁bot (@Yamaguchi_Dia) March 18, 2023
西日本、九州の方言では、「~している」の進行形と完了形を言い分けるところが多いそうですよ。
まとめ
方言「ちょる」について、使われている地域や意味などをまとめてみました。
山口県だけの方言かと思いきや、けっこういろんな地域で使われていて、山口県民はちょっと寂しい…いえ、同じ語尾を使う地域が多くて、うれしいです!
山口県民としては、「ちょる」は山口を起源にして、九州や四国など近隣の県に広まっていったのだと思いたい、です^^
よく調べてみると、愛知の一部でも使われている様子。「ちょる」の分布、おもしろいですね。もっと深く調べてみたくなりました。
この記事をきっかけに、方言について関心を持っていただけると幸せます^^