こんにちは、防府市の主婦なんたんです^^
わたしは生まれてからこの方40数年、「わや」はれっきとした山口弁だと思って使っていました(人生のほとんどを山口県で過ごしてきましたので・・・)。

ところが先日調べ物をしていると、「わや」が北海道でも使われていることを目にしてしまったのです。

さらに調べてみたところ、山口と北海道だけでなく、愛知や岡山、東北などでも使われているではありませんか!

ええ?どういうこと?
「わや」は山口の方言じゃなかったの?

ものすごく気になったので、今回は方言「わや」がどこで使われているのか、各地での使われ方や意味について、あらためて調べてみました!

方言「わや」はどこで使われている?意味は?

「わや」は日本各地で使われています(え?知ってました・・・?)。

関西を中心に、中国地方、名古屋、東北地方、北海道。県にもよりますが、四国の方も使われるとか。
関東圏では使われてなくて、九州、北陸もあまり使われていないようです。

山口県の「わや」

山口県では「わや」は、「ぐちゃぐちゃ、めちゃくちゃ、もうダメ」というマイナスイメージの言葉として使われています。

例としては、
・「わやじゃあね(めちゃくちゃじゃないの)」
・「わややけえ見たらいけんよ(ぐちゃぐちゃだから見たらだめよ)」
・「わや言うの―(無茶苦茶言うなあ)」
のような感じですね。

山口県内では西部と東部などで少し方言が違うのですが、「わや」は県内どこでも、同じように使われています。

北海道の「わや」

山口県から遠く離れた北海道でも、方言として「わや」が紹介されています。びっくりですね!

意味は山口と同じ「めちゃくちゃ、ひどい」というニュアンス。
「雪でわやだ」「部屋がわやだから入れないよ」のように使います。

以前、北海道在住の知り合いから聞いたところによると、北海道は日本全国から人が集まって開拓していった土地なので、日本各地の方言がまじって北海道でブレンドされているのだとか。

北海道の方言は、日本の方言の集大成ともいわれているそうです。
なるほどですね。

ただ、山口県と違うのは、言葉のイントネーション。
山口県では「わや」の「わ」にアクセントがつくのに対し、北海道では「や」にアクセントがつきます。
うーん、面白いですね!

東北地方の「わや」

山口県と反対の本州の端っこ、青森でも「わや」は使われています。

とはいえ、言葉の意味が違っていて、青森では「とても、すごく」というニュアンスがあるようで、「わやうだで(とってもいやな感じ)」のような使われ方をしています。

また、秋田でも「わや」は使われており、その意味は「忙しい」なのだそうです。

同じ東北地方でも、青森と秋田で意味が違うとは!
これも面白いですね!

愛知(名古屋)の「わや」

名古屋でも「わや」が使われています。
意味は「ダメ、台なし」。
「わやだがや」は、「台なしになった」という意味だそうです。

ほぼ、山口で使う「わや」と同じですね。

京都の「わや」

京都でも「わや」という方言、同じ意味で使うそうです。

京都での「わや」は、どちらかと言うと高齢の方が使う言葉で、若い人はあまり使わないのだそう!

山口県でいうと、年配の方は使いますが、若い人があまり使わない「のんた」のような方言でしょうか。

京都の女性が「わややわぁ」と言っているイメージがあったので、びっくりです(個人的に)。

大阪の「わや」

大阪の「わや」は「めちゃくちゃ」という意味で、漫才などでもよく使われています(そういわれればそうですね…(;^_^A)。

全国的にも「わや」といえば大阪みたいです。

岡山県の「わや」

岡山で使う「わや」も、基本的には山口と同じ「めちゃくちゃ」という意味で使います。

さらに岡山では、否定的な意味だけでなく、肯定的な意味にも使われており、「わややな、お前(すごいな、お前)」」のような使い方もします。
声のトーンや雰囲気で、否定的にも肯定的にも使えるそうですよ。

岡山の「わや」といえば、岡山弁の語尾「~じゃ」がついた「わやじゃ(めちゃくちゃだ)」でも有名ですね。

また、中国地方の他県でも、「わや」を山口と同じようなニュアンスで使っています。

島根や鳥取では、「わや」の変型版「わやくそ」や「わやくちゃ」が使われているそうですよ。

九州地方の「わや」

九州でも「わや」は、「めちゃめちゃ」「大変」といったニュアンスで使われます。

なかでも佐賀で、「ダメ」「とても」といった意味ので使われているそうです。
「もう、わやや(もう、ダメだ)!」という感じでしょうか。

「わや」とは?言葉の起源は

三省堂の辞書『大辞林』によると「わや」は、

① 筋の通らない・こと(さま)。無理。無茶。 「 -を言う」 「さ程たくさんな一歩を戻すまいとはそりや-ぢや/浄瑠璃・生玉心中 中」
② すっかりこわれること。台無しになること。また、そのさま。 「此上は-にする、取戻いてくれんず/浄瑠璃・雪女」

と書かれています。

例文の浄瑠璃のセリフは、江戸時代のはじめに活躍した近松門左衛門の作品中のことば。
すでに江戸時代には「わや」という言葉はひろく使われていたんですね。

ところで、「わや」という言葉、関東圏では使われていません
浄瑠璃は京で生まれた芸能で、江戸時代になって京から江戸にひろまりましたが、なぜ「わや」は浄瑠璃とともに関東には広まらなかったのでしょうね。

山口県は関西文化圏ということで、「わや」が伝わり定着してきたのでしょうか?
言葉の広がり、たどっていくとわからないことも多いですが興味深いですね。

ちなみに「わや」の語源は「わやく」という古語、「わやく」の語源は「おうわく」と言う言葉で、『今昔物語』にも出てくる言葉なのだそうですよ。
伝統ある言葉なのですね。

まとめ

今回は「わや」について調べたことをご紹介しました。
読まれた方は、「わや」が日本各地で使われてるのなんて知ってるよ、と思われたかもしれません(;^_^A

ですがわたしにとってはとても衝撃的なことだったので、山口県に特化したことではありませんが、書かせていただきました。

こうして調べてみると、地域よって少しずつ使い方も変化していて面白いですね。
山口県と遠い北海道で方言が同じなのも不思議ですし。

ふだん使っている言葉について、もっとくわしく調べてみたくなってきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました^^