山口県防府市にある毛利氏庭園は、紅葉の名所としても知られる、ぜひ訪れてほしいスポットです!

美しく整備された広い庭園と博物館を兼ねた毛利氏の邸宅を見学することができ、有名な防府天満宮に勝るとも劣らない見どころがたっぷり。
この記事では、名勝・毛利氏庭園と毛利博物館所要時間、駐車場情報などをじっくりとご紹介します。

毛利氏庭園の歴史

毛利氏庭園は長州藩最後の藩主であった毛利元徳(もとのり)の長男、毛利元昭(もとあきら)が建てた邸宅と庭園です。 元昭は、明治維新の改革を担う人材を多く輩出したことを評価され、後に公爵(華族最高の地位)となった人物です。

長州藩士で維新後に明治政権で活躍した井上馨が邸宅の建築場所を選定。その後日露、日清戦争の勃発により着工が遅れていましたが、大正元年に建設が開始され、5年弱の月日を経て大正5年に完成しました。完成直後に大正天皇が宿泊し、その後も何度か天皇、皇后が宿泊されています。

1967年、邸宅の一部を改装して毛利博物館として開館。毛利家に伝来する美術工芸品・歴史資料約2万点を収蔵、公開しています。

1996年に毛利氏庭園として国の名勝に指定、2011年には本邸が重要文化財として指定されました。現在は邸宅の一部を毛利博物館として、屋敷内部と庭園も有料で公開しています。

庭園の広さはなんと25000坪。本邸は1200坪の豪邸・・・といっても、わかりにくいですよね。敷地面積は東京ドームの約1.8個分になるそうです!ですので、見学の際はとにかく歩きますし、時間もかかります(;^_^A

広大で美しい庭園

表門から庭園までの道のり・路傍庭園

毛利氏庭園は紅葉の名所と言われています。新緑の時期と紅葉の時期に訪問したのですが、どちらの季節も素晴らしく美しいものでした。

表門から一直線に通っている道の右側沿いにズラッと植えられたカエデの木と、その奥に流れる椥(なぎ)川、左側面に植えられたきれいに剪定されたサツキ。新緑の時期には鮮やかな緑が爽やかにもてなしてくれ、サツキの花が彩を添えます。秋の紅葉の時期には道に沿って赤く色づいた紅葉が、庭園までの道のりを誘ってくれます

初めて訪れた時には、思わず感嘆の声をあげたのを覚えています・・・。子どもたちもその美しさにとてもはしゃいで喜んでいました^^

庭園までの道の途中に椥川を渡る橋があります。紅葉の時期にはその橋と紅葉がまた美しいコラボレーションを醸し出します。

表門から庭園入口までは徒歩約5分程度の距離があり、この路傍庭園は無料部分になります。
無料でこんなに美しい景観を楽しめるのは本当にうれしいことです!静かで穏やかな雰囲気と、自然の色どりを味いながら気持ちよく散策できます(^^)

庭園内邸宅と紅葉、池

広い庭園内には多くの木々が植えられており、春には桜、初夏には新緑とハナショウブ、秋には紅葉と、四季折々の美しさを楽しめます。

春は庭園内でお弁当を食べることも可能なので、花見客でにぎわいます。秋には紅葉を一目見ようとカメラを持った観光客が押し寄せます。

庭園はきれいに整備され、ひょうたん池を中心にぐるっと見て回ることができます。邸宅と木々とひょうたん池を一同に眺められる場所が、いちばんのカメラスポットです^^

毛利博物館(毛利邸)

国宝も所蔵・毛利博物館

毛利氏本邸内にある博物館には、毛利氏伝来の国宝や重要文化財、歴史的資料がおよそ2万点も所蔵されています。

うち国宝は、雪舟筆「四季山水図」をはじめとする4件7点、重要文化財は「紙本著色毛利元就像」をはじめとする9件8,596点、山口県指定文化財は「漆絵枝菊椀(大内椀)」など9件255点にも及んでいます。

作品をよりよい状態で保つため約2か月くらいの間隔ですべての資料が入れ替わるよう、年7回程度の展覧会(特別展・企画展、および平常展など)を企画しています。

秋の紅葉の時期に行われる特別展「国宝」は必見ですよ。

華族の生活を垣間見る・毛利邸

本邸は江戸後期の書院造りの様式を取り入れた木造瓦葺の和風建築で、邸内には木曽のヒノキ、屋久島の杉などの伝統的な良材を使用しています。

一方で、鉄筋コンクリートやトタンなど当時最新鋭の建材もふんだんに用いられ、邸内の電力はすべて自家発電でまかなわれ(!)、浴室は大理石製で豪華。
さらには給湯設備が完備され、各部屋部屋はインターホンで結ばれるなど、伝統的な和風建築に当時の最新技術を取り入れた当時の華族の生活を垣間見れる必見の邸宅です。

二階から一望できる庭園と防府の街並みがこれまた絶景です。 防府市内の小学生には、社会科見学でぜひ訪れるようにしてほしいなあ・・・。

見学の所要時間

駐車場から表門まで徒歩5分、表門から庭園入口までまた5分くらいかかります。庭園は広いので、こちらもしっかり見て歩くと15分から20分。博物館の見学に20分くらいですので、余裕を持って1時間ぐらいみておかれるとよいかと思います

広い庭園内には休憩する場所や自動販売機がないので、暑い季節には日傘、飲み物をお忘れないよう、お気をつけて。

ランチ、カフェスポット・ギャラリー舞衣

庭園をじっくり散策した後には、前庭にあるギャラリー舞衣でゆっくりとお茶をいただきながら余韻に浸ってみてはいかがでしょうか。大正の香りが漂う建物の中には、ギャラリーと茶房、ミュージアムショップが併設されています。

カレーやチャーハンなどの軽食、コーヒーやケーキセット、お抹茶セットなどのカフェメニューが用意されています(特別膳は要予約)。ギャラリーでは古布創作展や雛飾り展などが随時行われています。

施設情報

国指定名勝「毛利氏庭園」

住所:防府市多々良1-15-1  
TEL :0835-22-0001
開館時間:
9時~17時(入場は16時30分まで)
休館日:12月22日~12月31日
駐車場:およそ120台(無料)、EV充電あり
売店あり(天満屋)

 

ギャラリー舞衣

住所:防府市多々良1-15-1 毛利邸内
TEL: 0835-25-1707
営業時間: 10時~17時
定休日:毎週月曜

料金

料金 

 

大人

小・中学生

庭園

 

400円(360円)

200円(180円)

博物館

企画展

特別展(国宝)

700円(630円)

1000円(900円)

350円(315円)

500円(450円)

共通券

(博物館+庭園)

企画展

特別展(国宝)

1,000円(900円)

1,200円(1,080円)

500円(450円)

600円(540円)

( )内は団体料金(20名様以上)

交通アクセス

【車の場合】

・広島方面→防府東インターチェンジより約15分  
・福岡方面→防府西インターチェンジより約15分

【バスの場合】

JR防府駅天神口2番乗り場から防長バス阿弥陀寺行き「毛利本邸入口バス停」下車(所要時間6分、料金210円) ですが、1日9本と便数が大変少なく、公共交通機関での便があまりよくないです。

JR防府駅からはレンタサイクルもありますので、お天気が良ければ自転車で周辺の観光スポット(防府天満宮、周防国分寺)巡りもよいかもしれませんね。  

まとめ

今回は防府市の名勝・毛利氏庭園をご紹介しました。 防府に住んで7年・・・近くにこんなに見どころいっぱいの素晴らしい庭園があったなんて知らなかった!防府天満宮だけではなく、地元の名所をもっと知りたいし子どもたちにも見せておきたい。そう思えたきっかけが、この毛利氏庭園でした。

防府市にお住まいの方、また近隣にお住まいの方から他県の方まで、たくさんの方にこの庭園の美しさを知っていただけたら、と心から思っています。ぜひ防府市にお寄りの際は、毛利氏庭園に足を運んでくださると幸せます^^

毛利氏庭園についてもっと知りたい方はこちらもどうぞ・毛利氏庭園の紅葉見どころ、秋の国宝展は
いっしょに巡れる周辺観光スポットはこちら・周防国分寺の見どころ、境内や宝物を解説