山口サビエル記念聖堂は、山口市のランドマークです。
火事のため焼失しましたが再建され、以前から変わらず山口のキリスト教の歴史をあらわし、地元の人々に愛され続けています。
またサビエル記念聖堂は、県内外から見学や観光の方が年間を通じてたくさん訪れる観光スポットでもあります。
先日、サビエル記念聖堂に子どもたちと見学に行ってきましたので、今回はその歴史や聖堂内、周辺の様子も合わせてご紹介します^^

西の京に西洋の文化・サビエル記念聖堂の歴史

 ザビエルとは?

記念聖堂の名前にもなっている、ザビエル。ザビエルとは、日本に初めてキリスト教を伝えたスペイン人宣教師です。
彼は鹿児島から布教活動を始めますが思うように進まず、平戸、京の都を経て山口にたどり着きます。

(聖フランシスコザビエル像・神戸市立博物館蔵)

1551年、当時大きな勢力を誇った大名・大内義隆の庇護を受け、布教活動を行いました。半年間の山口滞在で改宗者は500人あまりに及んだと言われ、山口の文化にも大きな影響を与えました。
そのザビエルの来訪400年を記念して、1951年(昭和26年)に建てられたのがこのサビエル記念聖堂です。
(ザビエルを記念して建てられていますが、聖堂の名称は「サビエル」と濁らないのが正式名称となっています。)

今の記念聖堂は2代目?昔の聖堂は?

サビエル記念聖堂は、その鳴り響く鐘の音とともに山口市のシンボルとして市民に親しまれてきました。ですが、1991年(平成3年)9月、失火により焼失してしまったのです。

そのころ中学生だったのですが、記念聖堂が焼けてしまったというニュースはとてもよく覚えています・・・。記念聖堂がなくなってしまったのは大々的にニュースに取り上げられ、山口の人々にとって大きな心の痛手なんだということを、子どもながらに感じました。

それから地元の人々やイエズス会、各教育機関が、山口にもう一度サビエル記念聖堂を、と地道な活動を行い、焼失から7年後の1998年、ついに今の記念聖堂が再建されました!

再建された現在のザビエル記念聖堂は真っ白でとても斬新で現代的!「え?これは教会?」と思ってしまうような素敵な建物です。

初代の記念聖堂に慣れ親しんできた市民のみなさんは、やはりはじめはなかなか新しい記念聖堂に馴染めなかったようですが、だんだんと新たな山口のランドマークとして浸透してきました

今の聖堂の特徴である三角の形と2本の塔は、神が私たちと一緒におられるしるしとして、教会の形をテント(幕屋)にし、二つの塔が天にのびることによって、現代の人々に神様のことを強く思い出させる形としたのだそうです。

 開放的な記念聖堂内

1階・クリスチャン資料館 

聖堂の入り口は1階からになります(2階からも出入りできますが、順路は1階から)。

1階はキリスト教関連資料が展示してあります。祭服やザビエルの手紙など、どこの資料館でも見ることができない貴重なものです。
子どもたちにキリスト教の歴史を伝えるのが難しく・・・断念(-_-;) 子どもたちに予習が必要だったかなー、なんて(いや、わたしにも)。

展示物は撮影可ですが、ストロボ禁止、動画撮影、記念撮影は禁止となっています。資料館内の注意書きをお読みください。

 2階・聖堂


美しいステンドグラスと聖堂内に鳴り響くパイプオルガンの音。どなたでも、非日常の神聖な空間に浸ることができます。

子どもたち、初めて聞く大音量のパイプオルガンの音にびっくりしてしまい、早々に退散・・・(;^_^A もっとじっくりステンドグラスを眺めていたかったのになあ。次は一人で来よう(笑)

大聖年の鐘とザビエル像

記念聖堂の建物を出ると、駐車場近くの敷地にザビエル像と鐘を発見。訪れた人たちが、カーンとそこら中に響き渡るきれいな鐘の音を鳴らしていました。

この鐘は「大聖年の鐘」。平和を願う鐘です。
鳴らす前に、まず平和を祈ります。そして、カーンと響き渡る音とともに、山口の街に平和を願う思いがひろがっていきます。子どもたちもわたしも鳴らさせていただきました。

キリスト教の話はちょっと難しかったみたいだけど、祈りの鐘を鳴らすことで子どもたちにもこの場所が平和を願う場所、と思ってもらえたようです。

くつろぎスポット・亀山公園山頂広場

ザビエル像の脇にある階段をのぼっていくと、亀山公園山頂広場に着きます。はじめて来てみましたが、とってもきれいに整備された芝生広場です。

きれいなトイレもあり、史跡もあり。さらには山頂なので山口市街が見渡せ、すごくいい眺めです!よく見ると遠くに五重塔が。八坂神社や龍福寺といった史跡も見られます。

 サビエル記念聖堂に来られたら、こちらの公園にも足を運ばれることをおススメします。山口市内を見渡して、その街並みから歴史を感じられることと思いますよ。

12月、山口市はクリスマス市になる

山口市は日本のクリスマスの発祥の地と言われています。それはザビエルが滞在中、山口市内でクリスマスのミサを行ったのが始まりとされています。

その史実にちなんで、毎年121日に記念聖堂で行われる「クリスマスセレモニー」を皮切りに、12月の一か月間、山口市のどこかで毎日クリスマスイベントやワークショップが開催されます。サビエル記念聖堂もライトアップされますよ。

ぜひクリスマスの時期のサビエル記念聖堂、山口市にいらっしゃってくださいね。
12月の山口市のクリスマスイルミネーションイベントについてはこちらもどうぞ。

サビエル記念聖堂の施設情報

山口サビエル記念聖堂
753-0089 山口市亀山町4-1(亀山公園) TEL: 083-920-1549

入館時間 9:00~17:00
※入館の締切時間を設けていません。クリスチャン記念館(資料館)を拝観される場合は所要時間を考慮され、お早めにお越しください。
入館料(拝観料) 
一人100円以上の献金をお願いしています。

※駐車場わきにトイレあり。大聖堂までスロープあり、車椅子貸し出し1 。
1階拝観入口が記念聖堂の入り口になります。資料館の展示を鑑賞し、そのまま2階の聖堂へ。2階の正面が出口です。

アクセス、駐車場

アクセス

1)公共交通機関の場合
JR山口駅から・・・徒歩15
湯田温泉から・・・防長バス県庁方面行き乗車、「白石」バス停下車
 2)車の場合
中国自動車道小郡インターチェンジ下車およそ20 

駐車場

大聖堂前に無料駐車場あり(およそ20台ぐらい)
国道9号線から案内看板が出ています。看板にしたがって坂道を登っていくと、記念聖堂駐車場に出ます。

まとめ

子どもたちと立ち寄ってみたサビエル記念聖堂。山口でのキリスト教の歴史を感じられるとともに、その佇まいや周辺の公園から、訪れた方が誰でもほっと憩える、やすらぎのスポットだなと感じました。
冬にはイルミネーションイベントもあります。どうぞ、山口のランドマーク・サビエル記念聖堂へお越しくださいませ。