有名な水墨画家・雪舟が造営した庭として知られる雪舟庭は、年間を通じてたくさんの観光客が訪れる国の史跡・名勝です。その庭があるのが山口市にある常栄寺です。
今回は常栄寺庭園(雪舟庭)の見どころやアクセス、御朱印などについてご紹介します。

常栄寺の由来

大内氏が治めていた室町時代、山口は西の京と言われるほどに隆盛していました。
その大内文化の繁栄が今も見られる名所のひとつが、常栄寺庭園(雪舟庭)です。

常栄寺の建物はおよそ500年前、守護大名であった大内政弘が別邸として建てたものです。庭は雪舟に築庭させたものと言われています。
もともとは邸宅として建てられましたが、後に政弘の母の菩提寺・妙喜寺(みょうきじ)となりました。
時代の移り変わりとともに、妙喜寺(妙寿寺と合寺)は毛利元就が長男・隆元の菩提寺として建てた常栄寺と合寺。今の常栄寺となりました。

わかりにくいのですが、お寺もずっと同じ場所にあるのではなく、時代の流れにより引っ越したり合わさったりとして今の形になっているのですね・・・。

雪舟とはどんな人?

雪舟は室町時代に活躍した水墨画家・禅僧です。
教科書にも載っているので、一度は聞きおぼえがある名前ではないでしょうか。

雪舟は備中国(今の岡山)に生まれ、10歳にはお寺に預けられて禅僧の道に入ります。その後絵の才能を見出され京に上りますが、当時の画風になじめず山口へ。
大内氏の庇護の元、絵の修行を行い、そして48歳の頃、大内氏の命により中国(明)へ渡ります。中国で自分の画風をさらに追求しようと意を新たにして帰国。
後に水墨画界の巨匠、歴史的な人物の一人となっていきます。また生涯の中でたくさんの作品を残し、そのうち6点が国宝に指定されています。

雪舟庭の見どころ

3つの視点から眺めてより趣深く

雪舟庭は本堂の裏手にあり、「禅味あふれる日本庭園の代表作」として大正15年に国の史跡・名勝に指定されています。
禅味って・・・?と思って調べてみると、世俗を離れて枯淡した様を禅味というそう。

おお・・・、これが禅味というものなんですね。
点々と配された石。枯山水というんだそうです。その奥には池が配置されています。さらにその背景は、自然の山の木々。じーっと、ぼーっと眺めていたくなります。

受付では、まず本堂にあがり、そのあとに庭の周りを一周するように勧められます。
本堂の中からも、外からも眺めることができますが、外に出て庭を回ることで、また違った趣の庭を楽しむことができます。(入場券にも拝観ポイントが書いてあります)

勧められたとおり庭の周りにある遊歩道を巡ると、歩くたびに庭が全く違って見えてきます。こちら、拝観ポイントの聴松軒から見た庭。

池はこんなに広いんですね。庭の奥行きがあることがよくわかります。きっと紅葉の時期には木々の色どりが水面に映って美しいでしょうね。
そしてもうひとつの拝観ポイント、迎月亭跡あたりから見た庭。

池の奥には滝が(今は空滝)。見る角度によって全く違った雰囲気を味わうことができます。

春にはつつじも咲き、秋には紅葉、冬には雪景色も。季節や天候によって、全く違った趣の庭を楽しめます。

前庭にも枯山水庭園が

雪舟庭と反対側、本堂の前庭には枯山水庭園「南溟庭」(なんめいてい)があります。

この庭園は、岡山出身の昭和の作庭家・重森三玲(しげもりみれい)さんが作庭したものです。
白さが際立つ、とても美しい庭です。
この庭を造られるにあたり「雪舟庭が映えるように下手に作ってほしい」とオーダーされたとか・・・。

境内に入ってすぐの庭も美しいですよ。こちらは平成に入っての作品だそうです。境内ではいたるところで、シンプルな庭を楽しめます。

遊歩道の奥にはまだまだ見どころが

雪舟庭を取り囲む遊歩道、じつはとても奥が深いんです。
整備された山道を登っていくと、モリアオガエルの生息池があります。
初夏には池にある木の枝にモリアオガエルの白い泡のような卵が見られるんだそう。

このまた奥には弘法大師堂、薬師如来堂、毘沙門天をお祀りする毘沙門堂が。
いちばん奥は毘沙門堂で、かなり山道を歩きます。(入場券にはモリアオガエルの池から毘沙門天まで15分と書かれています)

マイナスイオンたっぷりの山の中を歩くので気持ちがよいですが、夏場は歩くのは大変かもしれません。

奥に行かなくても池の周りを回るだけのコースがありますので、夏場は雪舟庭をしっかり味わうそちらの方がよいかと思います・・・。
お時間があれば、せっかくなので遊歩道の奥もめぐってみてくださいませ。

雪舟庭のイベント

紅葉の時期には夜間ライトアップも行われています。
令和元年には11月22日から24日にかけての3日間、18時から21時の間実施されていました(要拝観料)。
またクリスマス時期にも紅葉の時とは違った、カラフルなライトアップが行われます。
(令和元年は12月21日から24日、17:30~20:00実施、拝観料要)
令和2年の実施については常栄寺雪舟庭公式HPをご確認ください。

おみくじや御朱印

お寺の受付にはおみくじや御朱印帳が頒布されています。
山口市に古くから伝わる伝統的な工芸品・徳地和紙を使った御朱印帳が頒布されていました。とてもきれいですね。

御朱印も受付で授与しています。
御初穂料は300円、紙での頒布になるそうです。

常栄寺雪舟庭の施設情報

山口市宮野下2001  TEL 083-922-2272
開園時間 8:00~17:00(11月~3月は16:30まで)、年中無休
拝観料  大人300円、学生(高校生、中学生)200円、小学生以下無料
車イスの方も拝観できます。
駐車場  山門前にあり、無料

交通アクセス

車の場合
→ 中国自動車道山口ICより10分、中国自動車道小郡IC15分
公共交通機関の場合
→ JR新山口駅から山口線に乗り換えて宮野駅下車、徒歩20分、タクシー約5分(山口駅下車の場合、タクシー約10分)
バスの場合
→ JR新山口駅から防長バス山口方面行き乗車約40分、雪舟庭入口下車、徒歩約10分

まとめ

山口の大内文化を代表する常栄寺庭園(雪舟庭)をご紹介しました。
室町時代を代表する禅味あふれる雪舟の庭、前庭、建物の美しさを、味わっていただけたらと思います。
また紅葉やクリスマス時期には夜間ライトアップもありますので、日中とは違う、非日常の雪舟庭もぜひ楽しんでください。