年の瀬が近づくと、毎年テレビのニュースから「わーっはっはっは」という明るい笑い声が聞こえてきます。
これは年の瀬の明るい話題として、毎年テレビニュースで取り上げられている「笑い講(わらいこう)」という神事。防府市の無形民俗文化財に指定され、天下の奇祭ともいわれています。
今回は防府市小俣地区に伝わる「笑い講」の由来や神事の内容、笑い講から広がる防府市の取り組みについてご紹介します。
笑い講の由来は?
(一般社団法人山口県観光連盟「おいでませ山口観光写真館」より)
毎年12月の第一日曜日に開催され、「講員」と呼ばれる21人の住民たちが、榊を手に「わーっはっは」と心からの笑いを神様に捧げる「笑い講」。
この一見奇妙な儀式は、防府市台道の小俣地区に伝わる神事で、その歴史は古く鎌倉時代までさかのぼります。
笑い講は、農業の神である大歳神(おおとしがみ)をお迎えして一年の収穫に感謝し、翌年の豊作を祈念。それとともに神様に笑いを献上する儀式。
笑いは3回と決まっており、1回目は今年の収穫を喜び、2回目は来年の豊作を願い、3回目は今年の悲しみや苦しみを忘れるためと言われています。
笑い講の内容は?
(一般社団法人山口県観光連盟「おいでませ山口観光写真館」より)
笑い講では、毎年順番で講員の中の一軒が頭屋(とうや)を引き受け、自宅を会場として提供します。
設置された神棚の前にはお米や野菜、魚などがお供えされ、講員たちはお神酒を酌み交わして儀式に備えます。
お酒でほろ酔い気分になった頃、小俣八幡宮の神主によって笑いの神事が宣言され、いよいよ儀式の開始です。
対角線上に向かい合って座った講員二人に榊が渡され、同時に3回大きな声を出して笑い合います。
笑い声が小さすぎたり不真面目な場合、二人の笑いが揃っていない場合には、審判役がたらいを1回たたいてやり直し。二人そろって上手に笑えたら、たらいが連打されます。
最後は全員が大きな声で笑い、笑い講を締めくくります。
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2012年には、ほうふを笑いの聖地として確立し、地域の交流を活性化を目指して、『世界お笑い協会』が設立されました。
伝統神事「笑い講」は、世界中に笑いを広める運動として、日本ユネスコのプロジェクト未来遺産に認定されています。
まとめ
今回は防府市小俣地区に伝わる笑い講をご紹介しました。
毎年12月に笑い講が行われたとのニュースが流れると、年の瀬を感じられ、防府市民にとっても笑い講は、年末の大切な行事となっています。
笑いの力を発信しようと、防府市は様々な取り組みをしているんですね。
みなさんもぜひ、笑い講や防府市が発信する笑いの取り組みに参加してみてくださいね。