こんにちは、防府市の主婦なんたんです^^

「みかん」といえば、寒い冬、こたつに入って食べるイメージがありますね。
ところが今ではいろいな種類のみかんが開発され、晩秋から春にかけてさまざまなみかんを楽しむことができます。

山口の春みかんといえばプレミアムみかん「ゆめほっぺ」が知られていますが、初夏に楽しめるみかんもあるんですよ。それが「南津海(なつみ)」です。

こちらも周防大島で生まれた山口県オリジナルみかん。現在その栽培は、山口県内に広がっています。

つぶた
つぶた
初夏に食べられるみかんだなんて不思議だね!
なんたん
なんたん
夏みかんとは違うのよね?食べてみたいわ
この記事では、山口県の初夏みかん「南津海」の特徴や栽培、そのお味についてご紹介しますね^^

南津海ってどんなみかん?

南津海は、山口県を代表するみかんの生産地・周防大島で生まれたみかんです。
「カラマンダリン」と「吉浦みかん」を親として生まれた南津海は、はじめは失敗作と思われていたんだとか!

みかんといえば食べごろは冬というイメージから冬に試食してみたところ、とってもすっぱくて食べられなかったのだそうです。

これはもう捨てるしかないと思い、木に実がついたままほったらかしにしていたそうですが、4月の半ばに、カラスが1日で実を全部食べてしまいます!

これはどういうことだ?と翌年まで実がつくのを待ち、味の変化を確かめたところ、5月の時期がいちばんおいしくなることが判明。
夏に食べられるみかんということで、「なつみ」と名付けられたのだそうです。

つぶた
つぶた
今、南津海が食べられるのもカラスのおかげなんだね
なんたん
なんたん
自然の生き物はほんとに賢いですね!

南津海の生産農家さんにお邪魔しました。

お邪魔したのは、山口県下関のみかん農家さん。
収穫に間に合うかな?と思って伺ったのですが、今年はもう収穫は終わったとのことでした。

例年にない暖冬で、10日ぐらい早く収穫を終えてしまったそうです。
みかん畑にたわわに実るオレンジ色の南津海を見たかったなあ、残念でした…。

農家さんの倉庫の軒下には、コンテナに詰められた大量の南津海が。
コンテナの上には覆いが被せられていましたが、ちょっと外して写真撮らせてもらいました。

おいしいものは自然の動物はよく知っています。何も被せないでおいておくと、ヒヨドリがやってきてつついてしまうのだとか。
お邪魔している間にも、「あー、ヒヨにやられた」と見事にくちばしの跡がついた南津海が…。

南津海は越冬みかんの一種で、4月に収穫をし、そこから市場に出回ります。
4月に収穫するまでの冬の間、木の上で過ごす南津海
ビニールハウスで覆ったり実を袋で覆ったりして、冬の寒さで実が傷んでしまうのを防ぎます。

こちらの農家さんは枝ごとに土嚢の袋をかけたり、難しいところはひとつひとつの実に小さな袋をかけるそうです。

(一個一個の実にかける袋)

この袋がけ作業が大変だそうで、農家さんだけでは手が足らず、人に袋掛けの手伝いをお願いしたところ、なかには「こんな大変なことやってられない」と1日でやめてしまわれた人もいるとか・・・。

大きさにもよりますが、大きなみかんの木だと1本から80キロ近くのみかんが収穫できるそうで、畑にある何百本ものみかんの木、その枝一本一本やひとつひとつの実に袋をかける作業はかなりの忍耐を要します。

「わたしたちはもう何ともないんだけどね」と農家さんはおっしゃられますが、長年農作業に従事してきているからこその言葉。

なんたん
なんたん
わたしがやってみたらすぐに根を上げるんだろうなあ・・・(-_-;)
収穫した南津海は、これからひとつひとつ農家さんの手で選別されます。

何日も何日もかけて行われる、ものすごい量の南津海の選別。
ここで南津海は大きさ、見た目によって正果、2級、格外に分けられ、正果と2級が出荷されます(写真は格外品です)。

通常、見た目が悪いみかんはジュースなどの加工用に出荷されるのですが、南津海はまだ生産農家さんが少ないのもあり、格外品を加工用として出荷できないのが悩みなのだそう。

つぶた
つぶた
見た目がデコボコしてますが、親であるカラマンダリンに似て、皮がデコボコしているのが特徴なんだって

みかん畑に行かせてもらいました。

ああ、ほんとに南津海の実が一つたりとも残っていません・・・。みかん畑は見事な緑色でした(;^_^A
みかん畑はものすごく広いのですが、高いところから写真を撮れずうまく伝わりませんね。

このネットはみかんの実を守るため。イノシシやヒヨドリが実を食べてしまうのを防ぐためのものです。ですが、どこからかヒヨドリがネットの中に入って飛び回っていました。

自然の生き物はほんとに頭がいいですね。自然の恵みをいただくにも、動物たちとの知恵比べです。

収穫したばかりのみかんの木ですが、もう小さな蕾が見えています。
小さすぎてわかりにくいのですが、丸で囲んだところです。

今年は収穫が早かったので蕾が小さいのですが、例年の収穫時には、白い花びらが見えるほど蕾が大きくなっているんだそうですよ。

なんたん
なんたん
ふつうのみかんは初夏に花を咲かせて秋に収穫し、木は冬の間休憩するのですが、南津海は花が咲くのと実の収穫の時期がほぼ同じだなんて、不思議ですね
花が初夏に咲くので、夏には実がついて冬にはオレンジ色になっているのですが、そこから冬の間木の上で熟させるのです。そのため、越冬みかんというのですね。

肥料は春、夏、秋と年に3回ぐらい与えるそうです。
広いみかん畑、除草剤も使っていますが木に優しい種類のものを使用されているそう。

寒さの間も、自らの子どもがおいしくなるまでじーっと守り育てる南津海の木。なんとも、南津海の木は働きもの。農家さんは木が実を育てるお手伝いをされているんですね^^

南津海をいただいてみました!そのお味は?

格外品をいただいたので、早速いただいてみました^^

いただいたのはシードレス(種なし)。
もともと南津海は種が多い品種でしたが、品種改良されて種なしができたそうです。

食べる側としては、種がない方が食べやすいし、お子さんや高齢の方が種を飲み込んだり詰まらせる心配がないので安心ですね。

さて、切ってみると…おお~、切り目には果汁がキラキラ。ぶちきれいです~!
皮は薄めですがちょっと硬くてむきにくいですね。では、いただきまーす^^

ん?甘い!なんだろう、さわやかな中にコクがある甘味!
みかんの甘さがさわやかになって、でも深いコクがプラスされているような甘さ
。伝わりますでしょうか?(笑)

これが寒い冬の間、じっくりと木の上で熟成した甘味なんですね(*^-^*)
この美味しさで格外なの~??という感じです。

実のつぶつぶ感はあまりなくて、房の皮もすっと口の中で溶けてしまいます。とても食べやすいみかんです!

もう一個食べたら、次のは甘味あっさりさわやかでした。格外というのもあってか、ひとつひとつ味が違います。

つぶた
つぶた
自然のものですから、すべて同じ味というのは難しいですよね。
最初の一個は大当たりでした~(笑)
格外品は出荷できないということで、どうするのかお聞きすると、食べたいという周りの方にあげたりはするのですが、それでも余ってしまい、最後にはカビがくるので捨ててしまうほかないそうです…
農家さんもかなりの量たべるらしいですけどね。なんとももったいないなぁ。

まとめ

今回は山口の初夏みかん・南津海をご紹介しました。

わたしがお邪魔したのは小さいみかん農家さんなので、もっと大きな農家さんはまた違った栽培をされているのかもしれません。
ですが、どちらにしても自然のものを育てるのには、気候に左右されたり自然の動物と知恵比べしたりと、自分たちではどうしようもない出来事もありながらの作業です。

すぐに成果が出るものではないみかん栽培。
木がうまく実をつけられるようにと手助けしながら、じっと木の力を信じて見守るその姿に頭が下がる思いがしました。

たくさんの方に、これからが旬の山口の初夏みかん・南津海を味わっていただけると幸せます^^ 初夏においしい南津海は、冷やして食べるのもおすすめですよ^^

山口の春みかん「ゆめほっぺ」についてはこちら^^

⇒⇒  ゆめほっぺ【山口の春みかん】ほっぺが落ちるほどの絶品の味と特徴は!?