下関市豊田町にある華山神上寺(げざん じんじょうじ)は、かつて「西の高野」と呼ばれるほど栄えた古刹。今では紅葉を楽しめるお寺として、たくさんの人が訪れるスポットです。

先日のこと、どうしても神上寺の紅葉を見たい!と、豊田町までビューンと車を走らせてきました。

なんたん
なんたん
想像以上に苔むしていて自然そのままで・・・秘境に入り込んだようでした!
紅葉も見ごろできれいでしたよ

この記事では、華山神上寺の場所や由緒、紅葉の様子などをじっくりとご紹介しますね。

神上寺の場所は?

菊川町から豊田町に抜ける県道34号線(風波のクロスロード)の途中に、華山、徳仙の滝への大きな看板があります。

その看板通りに木屋川と反対側の道に入っていくと、周辺の名所への矢印がある看板があります。
神上寺への矢印に沿って、農耕地の中の道をいちばん奥の突き当りまで、ひたすら進んで行くと、神上寺に到着します。

(神上寺までの道はこんな感じです)

神上寺への道は狭めですが、途中で離合できるよう幅が広めになっている場所も多いので、安心して通ることができますよ。

突き当りまで行くと、きれいに舗装された駐車場が2か所あります。

ひとつは神上寺の階段すぐ下にあり、5台以上駐車できそうでした。

もう一か所は右側にあり、こちらは10台ぐらい駐車できるスペースがあります。
休憩用のベンチのそばには登山用の杖も用意され、きれいなトイレも設置されていました。

つぶた
つぶた
こんなに整備されているなんて!びっくりしたし嬉しくなったよ

所在地:下関市豊田町江良624
問い合わせ先:TEL 083-766-0296
駐車場:あり
アクセス:中国自動車道小月ICから25分、美祢ICから35分~40分
公式サイト:下関市公式観光サイト楽しも!下関市公式観光サイト楽しも!内 神上寺

神上寺の歴史は?

文武天皇(もんむてんのう)の時代に、役小角(えんのおづぬ:修験道の開祖)がこの地の徳仙上人とともに開山したことに始まる、と伝えられています。

つぶた
つぶた
文武天皇の時代は大宝律令が制定された(701年)頃。神上寺は1300年以上の歴史があるお寺なんだね!

古くは皇室、藩主の祈願所として栄え、高野山真言宗の大寺院として「西の高野」と言われました。
明治維新までは神上寺の境内地に6か寺ありましたが、今は中の坊だけが残っています。

神上寺はどんなところ?

駐車場近くにある仁王門から神上寺までは、石段を登っていきます。
駐車場やトイレはきれいに整備されていますが、山門をくぐるとそこには、あっと驚く世界が広がっていました・・・。

石段は苔むしてガタガタ。鳥居も壊れたままのお姿で廃墟感たっぷり。

ですが、まわりの木々や沢の流れから、自然の神秘的なパワーがあふれ出ています。
パワーチャージにもってこいのスポットです!

なんたん
なんたん
この雰囲気はひとりだとちょっと心細いかもしれませんね。紅葉シーズンだったので紅葉狩りの方々が何組もいらっしゃって安心でした

すぐそばには沢も流れているので、足元が濡れている場所も多いです。
とにかく足元が不安定なので、はきなれた靴と動きやすい服装でいらっしゃってください。

つぶた
つぶた
駐車場には杖も用意されているから、心配な方は利用されるといいね

なお、石段の道と別に、車でも登れる舗装された道が脇にあります。
本堂近くには本堂参拝者用の広い駐車スペースもありましたよ。

足元が心配という方は、舗装された道を進んでもお寺までたどり着けますので、ご安心ください。

神上寺のみどころは!

雪舟庭と無心庵

石段を上っていくと、途中右手に、雪舟が作庭したといわれる庭と茶庵無心庵があります。

(無心庵)

苔に覆われた庭と石垣。
ただそこにある寂れた無心庵。

そこに色づいたモミジが鮮やかな彩りを添えていて、なんとも美しい侘び寂びの世界を見ることができます。

なんたん
なんたん
「兵どもが夢の跡」って言葉が頭をよぎったわ
つぶた
つぶた
額縁に入れて持って帰りたくなるような光景だったよ
周囲には石垣がたくさん残っており、昔は多くのお寺の建物があったであろうことが窺えました。

神上寺本堂とその周辺

(本堂)

雪舟庭からさらに石段を登っていくと、右手に御成門が見えてきます。
御成門を過ぎると、すぐに風情あふれる本堂が出迎えてくれます。

(三十三観音)

本堂の向かいには三十三観音や宝きょう印塔などがあり、その奥には大きなイチョウの木が何本も植えられている広場が整備されていました。

イチョウの葉とともに銀杏も地面に落ちていますが、お寺で使うので銀杏は持って帰らないでね、とのことですよ。

なんたん
なんたん
グラグラした石段を登ったら、こんなに開けた場所に出るなんて。
紅葉もきれいで、登ってきてよかった~と思えますよ

本堂の先の石段は、温座堂跡に続き、さらに進むと華山の登山道へ続いています。
石段を少し登って見下ろすと、赤と黄色の鮮やかな紅葉と護摩堂が目に飛び込んできました。

神上寺のモミジやイチョウはどの木も大きいので、とても見ごたえがあります。本当にきれいです!

なんたん
なんたん
写真では伝えにくいこの感動、ぜひ紅葉シーズンには実際に見ていただきたいです

ユースホステルもある!

石段の途中の案内板に、「ユースホステル神上寺」という表示がありました。
看板は見たものの、まさかこんなところにないでしょう、と思ってスルーしてしまいましたが、本坊の衆寮がユースホステルになっているそうです。

なんたん
なんたん
慌ただしい日々の合間にユースホステル神上寺で非日常の体験。心惹かれますね

ユースホステル神上寺についてはこちらをご覧ください。
>>『和空』修行と宿坊のポータルサイト内 「ユースホステル神上寺」

近松門左衛門の出生地伝説がある?

神上寺の門前には、近松門左衛門の出生地伝説の碑が建立されています。

つぶた
つぶた
近松門左衛門は、江戸時代に浄瑠璃や歌舞伎の脚本をたくさん作った人だね
なんたん
なんたん
どうして下関に近松門左衛門生誕伝説があるのかしら?

江戸時代のはじめに、身重になった女中が世に憚って出産したいと神上寺に救いを求めにきました。
しかし、神上寺は女人禁制。
そのため門前の家にすべてを頼み、無事男の子が誕生したそうです。

その後、豊田町の西市で浄瑠璃芝居があると、その作者は近松門左衛門で、神上寺の門前の家で生まれた男の子であるという伝説が古くから伝わっているのだとか。

まとめ

豊田町にある紅葉の美しい古刹、華山神上寺をご紹介しました。

紅葉の素晴しさに感動!でしたが、本当のところは最初仁王門を見た時、「うわーこんなに朽ちてるスポットだなんて、どうしよう」と内心焦りました。
石段はグラグラしているし、滑りやすいし。他の紅葉狩りに来られていた方々がいなかったら引き返していたかもしれません(笑)

歩を進めていくと、苔むして寂れた雰囲気や周りの木々、沢の水や紅葉の美しさに引き込まれ、だんだん心が安らいで。最後には、こんな素晴らしいところに足を入れさせてもらえたなんて、すごく幸せだーと思いながら帰ってきました(笑)単純ですね~。

神上寺で感じたのは、おもてなしの心です。
古い場所はそのままの姿で残しつつも、訪問する人のために駐車場や広場をきれいに整備して迎えてくださっています。
おかげさまで、心地よく紅葉狩りを楽しむことができました。

なんたん
なんたん
お寺では、精進料理をいただきながら紅葉を楽しめるとのことですよ(要予約)。
紅葉を眺めながら精進料理、いただいてみたいですね!

秋だけでなく、四季折々の自然の美しさを楽しめるスポット、神上寺。
ユースホステルもありますし、ぜひ歴史ある古刹に足を運んでみてくださいませ。