今では全国的に知られた山口県のご当地グルメ「瓦そば」。
瓦そばは下関市川棚温泉が発祥の地で、元祖のお店「たかせ」が歴代の味を守り続けています。
下関市の鄙びた温泉宿が連なる川棚温泉は「下関の奥座敷」と言われ、地元の人々のみならず、かの著名な俳人・山頭火や毛利候に愛された名湯です。
今回は名湯で生まれた名物グルメ「瓦そば」の由来、食べ方、元祖「たかせ」について、地元民のわたしがご紹介します。
瓦そばと一緒に温泉も^^⇒ 名湯川棚温泉の由来や温泉銭湯「ぴーすふる青竜泉」はこちら
「瓦そば」の由来
明治10年に起きた西南の役において、薩摩軍の兵士たちが長い野戦の合間に瓦を使って野草や肉などを焼いて食べた、という話にヒントを得て出来上がったのが「瓦そば」です。
1961年、当時川棚温泉で旅館を営んでいた高瀬慎一が、旅館のお客様向けの料理として開発したとされています。
次第にその珍しさや美味しさから川棚温泉街の他の旅館にも広まって、川棚温泉の名物グルメになりました。
薩摩軍の人たちのアイデアもすごいですし、その話を聞いて茶そばを瓦で焼いてみようと思いついたのもびっくりですね!
元祖たかせの「瓦そば」
県内外に瓦そばや似たメニューが提供されているお店は多々ありますが、瓦そばの元祖は「たかせ」です。
熱々の黒い瓦の上でジュウジュウ音を立てて焼ける、宇治茶を練りこんだ緑の茶そば。
その上には美しい薄黄色の錦糸卵と刻んだ小葱、そして上品な牛肉の細切れ、海苔がきれいに盛り付けられています。
ネギは地元下関産、海苔は宇部市の海苔を使っているそうですよ。
山口県産の薬味を使っているなんて、地元民はますます嬉しくなりますね(写真は3人前です)。
さらにレモンの薄切りが添えられ、その上にオレンジ色のもみじおろしが・・・。色彩鮮やかで美しい!
見た目にも、とっても目をひいてインスタ映えする瓦そばです!
と言っても、見た目だけではありません。味も、ものすごく美味しいんですよ。
瓦そばの食べ方は?
初めて瓦そばを食べる方は、いったいどうやって食べたらいいの?と戸惑うのではないでしょうか。
わたしは食べ方がわからず、初めは友達に教えてもらいながら食べました。
瓦そばは一枚の瓦に数人前一緒に載ってきます。
3人で行って皆が瓦そばを頼んだら、上の写真のようにまとめて盛られてくるということになります。
この1枚の瓦に載っているおそばを、それぞれが取り分けて食べるのですね。
瓦そばにはそばつゆがついています。
テーブルに置いてあるポットに温かいつゆが入っていますので、それを器に注ぎます。
このそばつゆはカツオと昆布だしをきかせていて、少し甘めの美味しいお味なんですよ。
元祖瓦そばたかせのおススメの食べ方によると、「はじめはレモンともみじおろしは避けて、そばだけをつゆにつけて食べてみてください」とのこと。まずはそのもののお味からなんですね。
それからもみじおろしとレモンをつゆに溶かします。
このもみじおろしが味のいいアクセントになるんです^^
ちょっと辛いので、お子様は様子をみてくださいね(うちの10歳の娘はダメでした)。
瓦そばのお味は?
さあ、食べてみたそのお味はと言いますと・・・もう、絶品です!
うちは時々スーパーで売られている瓦そばを買ってホットプレートで調理するのですが(山口県民は家庭で瓦そば、よくやるんですよ)、当たり前ですけど、元祖はぜんっぜん味が違います。
家庭の味ではなく、プロの味です。当たり前ですね(;^_^A
元祖たかせの瓦そばは、そばも牛肉も玉子もネギもすべてが調和している。牛肉が肉だ!と主張することもなく、ネギが薬味だ!とでしゃばることもなく、すべてがそばを楽しむために助け合っている。そんな感じなんです。
そしてそばの歯ごたえの良さと、食べ終わりに近づくにつれて程よく焦げるあのパリパリした食感・・・たまりません^^
元祖瓦そばたかせの名物メニューは?
元祖瓦そばたかせの看板メニューはもちろん「瓦そば」ですが、たかせの名物はもうひとつあるんです。
それは「うなめし」です!
おひつの中には、絶品たれをつけて香ばしく焼いた鹿児島産うなぎがご飯の上にキレイに並んでいます。
ひつまぶしのように薬味とお出汁がセットで出てきます。
うなめしの食べ方は3パターン。
まずはおひつからお茶碗によそい、そのままいただきます。フワフワのうなぎの食感を楽しめますよ。
つぎに、薬味と一緒にどうぞ。
そしてもう一つの食べ方が「うな茶」。
わさびと薬味をご飯の上にのせ、そこにお出汁を掛けて頂きます。
これがまた絶品なんですよ^^
ぜひ瓦そばと一緒にうなめしもどうぞ。
元祖瓦そば「たかせ」店舗詳細
「たかせ」は川棚温泉街付近に3店舗(本館、南本館、東本館)あり、さらには下関市内にあるゆめシティ新下関店、関門海峡を挟んだ福岡県北九州市にある門司港レトロ店があります。
本館と別館(南本館、東本館)の違い、それぞれのお店の特徴をご紹介します。
※2020年11月から「りゅう庵」とコラボしての営業になり、りゅう庵を入れると6店舗になりました。
川棚本館、南本館、東本館の住所
所在地 | 下関市豊浦町大字川棚5437 |
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問い合わせ先 | TEL 0837-72-2680(代表) |
問い合わせ受付時間 | 9:00~17:00 |
本館、南本館、東本館の住所表記は同じ番地ですが、少しずつ場所が離れています。
本館と東本館は川棚温泉街、南本館は県道40号線沿いになります(徒歩圏内です。地図は下記)。
※店舗の最新情報、営業時間は事前に公式HP、公式インスタグラムにてご確認ください。
川棚本館
瓦そばは、この本館から始まりました!
築約100年の建物を、昔の面影を残したまま改装した店舗です。歴史を感じながら、瓦そばをいただけます。
定休日 | |
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営業時間 | ※電話でお問い合わせくださいとのことです。 |
席数 | 1F:お座敷34名・テーブル席18名 2F:テーブル席16名 |
川棚東本館(休業中)
東本館は個室(お座敷)が完備されています(コース料理ご利用の方のみ)。
中庭を見ながらゆっくりと食事を楽しめます。
定休日 | 毎週月曜日、火曜日、水曜日(祝日の場合は営業) |
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営業時間 | ※電話でお問い合わせくださいとのことです。 |
席数 | お座敷64名 テーブル席32名 |
川棚南本館
南本館にはお土産コーナーもあります。
広々したテーブル席で頂ける、気軽に瓦そばを楽しめる店舗です。
団体さまも利用できます。
定休日 | なし |
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営業時間 | ※電話でお問い合わせくださいとのことです。 |
席数 | 1F:テーブル席66名、2F:大広間(繁忙期のみ)80名 |
ゆめシティ新下関店
大型ショッピングセンター・ゆめシティの1Fにある店舗です。
お買い物ついでに、気軽に瓦そばを楽しめます^^
お座敷席とテーブル席が用意され、店内は落ち着いた雰囲気ですよ。
所在地 | 下関市伊倉新町3丁目1-1 1F |
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問い合わせ先 | TEL 083-250-7337 |
定休日 | なし |
営業時間 |
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門司港レトロ店
門司港レトロの街並みの中にあり、関門海峡を眺めながら瓦そばをいただけます。
ゆっくりくつろげる掘り座敷。団体さまも利用できます。
所在地 | 北九州市門司区港町5-1海峡プラザ西館2F |
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問い合わせ先 | TEL 093-322-3001 |
定休日 | 毎週水曜日(祝日の場合は営業) |
営業時間 | |
席数 | テーブル席62名、掘り座敷58名 |
ごはん処りゅう庵
2020年11年から、川棚温泉の老舗たかせと、コラボでの営業となった「ごはん処りゅう庵」。
たかせのメニューでは、瓦そばとうなめしが用意されています。
所在地 | 山口市小郡新町4丁目10-20 |
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問い合わせ先 | TEL 083-972-8870 |
営業時間 | 10:00~15:00(日・祝休み) |
まとめ
今回は山口県を代表するグルメ・元祖「たかせ」の瓦そばを由来や食べ方とともにご紹介しました。
川棚温泉付近はよく通るのですが、お店の前を通るといつも車が多く、店外で順番待ちする人がしょっちゅう見られます。(で、今日も多いなあ、またにするかー、とあえて通り過ぎる地元民・・・)。
お店の繁盛ぶりを目の当たりにするたびに、こんな近くに山口県の有名グルメがあるんだなー、と実感。なじみの場所がにぎわってるって、ぶち嬉しくなります(*^^*)
山口県ではなくても瓦そばを食べられるお店は多いかと思いますが、ぜひ、ぜひ山口にお越しの際には、川棚温泉で元祖「たかせ」の瓦そばをご賞味ください! 見た目にびっくり、その味に感動すること間違いなしです!!