防府市内には玉祖神社(たまのおやじんじゃ)がほかに3社あり、大阪府八尾市にも玉祖神社が存在します。中でも防府市大崎にある玉祖神社はこれら4つの神社の総本社で、大変由緒のある周防國一ノ宮神社です。
今回は玉祖神社の由緒、御朱印情報などをご紹介します。

 

神話の時代から存在する玉祖神社

玉祖神社は、防府天満宮や毛利氏庭園などがある場所から離れた、防府市西側の大崎地区に鎮座しています。
住宅地のそばにひっそりと佇むかのように鎮座する玉祖神社は、あまり参拝者がおらず、境内はとても静かで空気がピンと張りつめていました

境内の奥には鎮守の森があり、山口県の自然記念物および防府市の天然記念物に指定されています。
街中にある防府天満宮とはまた全然違う、周防國一ノ宮の静けさ。
防府天満宮も好きですが、玉祖神社の静かで素朴な飾り気のない雰囲気にも、また心惹かれます。

創建の由来、歴史

12世紀に成立したとされる「今昔物語」に「今ハ昔シ周防ノ国ノ一宮ニ、玉祖ノ大明神ト申ス神在ス」との記述があり、周防国でもっとも社格の高い一ノ宮として崇敬を受けていたと書かれています。

神社の創建についてはあまりにも古くはっきりしませんが、日本最古の正史『日本書紀』に、景行天皇12年に九州の熊襲(くまそ)征伐に戦勝祈願のために宝剣を奉納したとの記載が残っています。

景行天皇は第12代の天皇で、大和武尊(ヤマトタケルノミコト)の父親です。
ヤマトタケル尊といえば、大和朝廷が地方を平定していく英雄として有名ですよね。熊襲征伐でも功績をあげていますので、もしやここ玉祖神社にヤマトタケル尊が訪れていたのかも・・・?

そんな神話の時代にすでに玉祖神社は存在していたなんて・・・とにかく調べていくと、ビックリだらけです!

御祭神

大変由緒ある玉祖神社の御祭神は、玉祖命(たまのおやのみこと)です。
玉祖命は三種の神器のひとつである「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」を作った神とされています。

天照大御神が天の岩戸にお隠れになったときに、八百万の神々がお集まりになって天照大御神を岩戸から引き出そうとします。この時、玉祖命も八尺瓊勾玉をおつくりになり、八咫鏡(やかたのかがみ、三種の神器のひとつ)とともに榊の木にかけられたと言います。

玉祖命は日本神話の神・ニニギノミコトの降臨に従った五伴緒神の一柱として高千穂に降り立ちます・・・。その後中国地方を治め、神社のある防府市大崎の地で没せられたと伝えられています。


玉祖命はの子孫にあたる玉造部、玉祖連は全国各地に広がり、勾玉づくりを行いました。
勾玉づくりの神ということで宝石関係者から信仰を集めています。またレンズのことを玉ということから眼鏡関係者やカメラ業者からも信仰されています

神社の御祭神は二柱と言われていますが、玉祖命ともう一柱の神は不詳とされています。

ご利益

玉といえばその輝きは、いつの世でもどこでも美しく心を癒すもの。ですので、玉は平和のシンボル、玉祖神社は平和の神としても崇敬されています
また熊襲(くまそ)征伐の戦勝祈願のために宝剣を奉納したとの由緒から、戦勝祈願のご利益もあるといわれています。

年中行事、神事

毎年4月第2日曜には古くなった眼鏡を供養する「玉の祭」が行われ、全国から多くの関係者が参拝に訪れます。例祭は9月25日に近い日曜日に催行されていますが、前日夜には特殊神事の「占手神事」、当日早朝には「炊き上げ神事」が行われています。

仲哀天皇と神功皇后が熊襲征伐の際にご参拝になり、そのときに現在の佐野焼の始祖である沢田の長に三足の土鼎(=中国古代形式?の鍋)と盎(=瓶の一種)を作らせ、米を炊いて天皇皇后に捧げられました。これが炊き上げ神事につながっています。
占手神事は、神功皇后が戦争の吉凶を占ったことに由来すると言われ、山口県指定の無形民俗文化財となっていいます。

天然記念物・黒柏鶏

境内の右手奥には、天然記念物の黒柏鶏(くろかしわけいがいます。この黒柏鶏、防府発祥なのだそう。
鳴き声は普通7~8秒続き、なかには10秒に達するものもあるんだとか。
明治以降洋種が入ってきて日本鶏の数が減少し、その存在はとても貴重なものになっているそうです。

なので、気をつけて黒柏鶏のなき声に耳を澄ませてみました。すると・・・コーケッコッコーーーーーーーーーーー あれ?確かに長いのが混じってる!
なるほどこの鳴き声だったんですね!ぜひ参拝の際は、よく耳を澄まして聞いてみてくださいね^^

御朱印と御守

御朱印は事務所で受付しています。事務所の場所は境内に案内が出ているのでわかりやすいです。

事務所を入ってみると、御守と御朱印が並んでいます。あれ、無人?どなたもいらっしゃらない・・・。
御朱印は書かれた紙が置いてあり、箱に500円入れるようになっていました

御朱印帳を持参される場合は、その場で書いてくださいます。奥に神社の方がいますので、声をかけると出てこられますよ。ご安心を^^
御朱印帳は玉祖神社オリジナルのものも頒布されていました。黒柏鶏が描かれた紺色っぽい御朱印帳です。

玉の神をお祀りしているので、御守はきれいな勾玉がついているものがたくさん。思わず手に取りたくなってしまう可愛らしいお守りです(*^^*)
天然記念物の黒柏鶏にちなんだ御守もあったようです・・・見逃してしまいました。

参拝の所要時間は、拝殿、鎮守の森、黒柏鶏をゆっくりとみて回って、一時間もあれば十分かと思います。

玉祖神社 施設情報

〒747-0065  防府市大字大崎1690  TEL  0835-21-3915
駐車場 あり(無料) 神社表側(二の鳥居前)に6~7台、一の鳥居付近と神社裏側にも駐車場あり
交通アクセス
・車の場合
山陽自動車道防府東I.C.から車で10分
山陽自動車道防府西I.Cから車で5分
・公共交通機関の場合
JR防府駅てんじんぐち(北口)から防長バス落合行き20分、玉祖神社バス停下車・・・こちらは一日に3便です。

まとめ

神話の時代から1500年以上もの歴史のある玉祖神社。
とても古い神社とは聞いていましたが、今回その由緒を調べてみてとても感激し、自分の住む防府の地が神話の時代とつながっていることに不思議な感覚を覚えました。

参拝に訪問した際、神社に詳しい方が玉祖神社についてお話してくださったのですが、ここ周防一ノ宮は山口県三大パワースポットのひとつと言われているのだとか・・・(お聞きしたのですが、他の二つを忘れてしまいました)。言われた通り、境内は心を清めてくれるような神聖な雰囲気に満ちています。

防府に足を運ばれる際には、神話の時代から受け継がれている周防國一ノ宮玉祖神社に歴史の流れを感じにいらっしゃってくださいませ。