
山口に夏の訪れを告げる山口祇園祭(やまぐちぎおんさい)は、山口ちょうちん祭、山口天神祭とともに、山口三大祭に数えられるお祭りです。
今からおよそ600年前、室町時代に起源を発し、以来現在まで連綿と受け継がれてきました。
大内文化を今に伝える「西の京山口」ならではのお祭りのひとつで、毎年7月20日から27日までの一週間にわたって開催されます。
この記事では、山口祇園祭の日程、歴史や行事の内容などをご紹介します。
山口祇園祭の歴史
当時山口を治めていた大内氏は京都に強い憧れを抱き、京都に模した街づくりを行いました。
その一環で、24代の弘世が京都の祇園社(今の八坂神社)を山口に勧請したのが八坂神社で、祇園社の祭りである祇園祭を山口の八坂神社でも行なったのが、山口祇園祭の始まりでした。
※勧請(かんじょう 神仏の分霊を迎えること)


山口祇園祭・基本情報
日程 | 2023年7月20日(木)~27日(木)
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開催場所 | 八坂神社、大殿竪小路、山口市商店街周辺 | ||||||
問い合わせ先 | ☎083-934-2810(山口市観光交流課) ☎083-922-0083(八坂神社社務所) |
駐車場、アクセス
【車の場合】
例年、祭用に用意された駐車場はありません。
周辺の無料駐車場は、八坂神社前観光駐車場(20台)、築山跡史跡公園駐車場、大内氏館跡臨時駐車場など。少し距離がありますが大きな駐車場として、香山公園駐車場があります。
また、中心商店街周辺には有料駐車場が10か所以上あるので、そちらを利用されると便利です。中心商店街の駐車場詳細は、「街づくり山口」HP内の駐車場情報をご覧ください。

【公共交通機関利用の場合】
JR山口駅から八坂神社まで徒歩でおよそ20分。中心商店街までは、徒歩で10分ぐらいです。
通行止めなど交通規制
19時~22時にかけて、山口中心商店街(アーケード街)や駅通りが通行止めになります。
一方通行などの交通規制が発生する箇所もありますので、車で来られる場合は気をつけて来場ください。
山口祇園祭の内容やスケジュールは?
初日は県無形文化財・鷺舞の奉納から
祭の初日は、八坂神社で鷺舞(さぎまい)が奉納されます。
鷺舞は雄雌の鷺が舞を奉納するもので、1分ぐらいのとても短い神事です。
しかし、長い歴史を受け継いできた古式ゆかしい神事であることから、県の無形文化財に指定されています。
もともとは京都の八坂神社で行われ勧請の際に取り入れたものと思われますが、本家八坂神社では江戸中期に一度廃絶されたそうで、現在も存続が危ぶまれているのだとか。


鷺の舞といえば、津和野弥栄神社のものが有名で国の重要無形民俗文化財に指定されていますが、津和野の鷺舞は、山口祇園祭の鷺舞が伝わったものなのだそうですよ!
裸坊による御神幸
八坂神社で鷺舞を奉納した後、御旅所までの約2kmを、約400人の裸坊が神輿をかついで、商店街のアーケードの中を練り歩きます。
祇園囃子は一時期途絶えましたが、山口市観光協会の担当者が本場京都の保存会を訪れて伝授してもらい、1990年に復活したそうです。
山口市のみなさんの祇園祭にかける思いが伝わりますね。
初日の鷺舞、御神輿渡御の様子はこちらの動画(DyDo作成)からご覧ください。
中日は市民総踊りで大盛り上がり
祭の中日(24日)には「中日祭」が行われます。
中日祭には神事は行われず、山口市中心商店街にて、市内各地の団体がそれぞれに「大内のお殿様」を踊って盛り上がります。
今年は1500人以上が参加するのだとか!
「大内のお殿様」は山口市民が伝えてきた踊りだそうです。
下関でいうと平家踊り、防府でいうと防府おどりのような地元に密着した踊りでしょうか。
わたしは「大内のお殿様」を知らなかったので、山口市にもこんな曲があったんだとびっくりしました・・・。
こちらが「大内のお殿様」の踊りです。ご参考に^^
最終日は御還幸
祭の最終日は、御旅所にお渡ししていた御神輿が八坂神社にお戻りになる御還幸(ごかんこう)です。
御神輿3基のうち、2基は裸坊と呼ばれる男衆が担ぎ、1基は女神輿として注目を集めています。
神輿の担ぎ手は、地元山口市から一般公募しているとのこと。
八坂神社に縁結びのご利益があることから、参加を決める方もいらっしゃるそうですよ。

まとめ
今回は山口祇園祭について、その歴史や鷺舞などの神事やイベントについてご紹介しました。
毎年たくさんの地元の方々が携わり、伝統を守ってきたお祭。たくさんの方々に見ていただき、伝統行事に触れられたらいいなあと思います。
山口三大祭りのひとつ、山口ちょうちん祭りについてはこちらの記事でご紹介しています。
⇒山口七夕ちょうちんまつり【日本三大火祭り】歴史や見どころ、駐車場を解説!