萩の大照院は、萩藩毛利家の初代と偶数代藩主が祀られている、毛利家の菩提寺です。

境内の主要な建造物は国の文化財に指定されており、墓前におよそ600基もの石灯籠が並ぶ毛利墓所は、国の史跡に指定されています。

つぶた
つぶた
とても貴重なお寺なんだね
なんたん
なんたん
大照院は観光地という感じがなくとても静か。荘厳な雰囲気をゆっくりと味わえました
この記事では、大照院の場所やアクセス、四季折々の見どころなどをご紹介します。
※写真は2022年11月13日のものです。

大照院・場所や駐車場情報

県道64号線から山陰本線の大照院踏切を渡ると、大照院の参道です。

参道はあまり広くないので、車ですれ違う際は気を付けてくださいね。

駐車場は鐘楼門の手前にありますが、門の前を左に曲がって坂をぐいっとのぼると、境内のすぐ脇の広い駐車場(舗装なし)に出ます。

なんたん
なんたん
だいたいの方は手前の駐車場に停めていました。
わたしもこちらに駐車しました
境内にも注意書きがありますが、晴れていても滑りやすい箇所が多いので、歩きやすい靴で来られることをおすすめします!

所在地:萩市椿青梅4132
電話番号:0838-22-2124
営業時間(納経時間):8時~16時30分
拝観料:大人(高校生含む)200円、小中学生100円
団体料金(30名以上):大人(高校生含む)160円、中学生80円
アクセス:萩循環まぁーるバス(西回り・東回り)「大照院入口」バス停より徒歩3分
公式サイト:霊椿山 大照院

つぶた
つぶた
訪問した際、拝観受付は閉鎖されていて、料金箱にお金を入れるようになっていたよ
なんたん
なんたん
御朱印や納経は、庫裏の玄関で受付するとのことです

大照院の歴史は

(鐘楼門)

戦乱を経て荒廃していた臨済宗の寺院を、2代藩主毛利綱広(つなひろ)が、亡き父・萩藩初代藩主秀就(ひでなり)の菩提寺とするために、1654年(承応3年)から1656年(明暦2年)にかけて再建し、秀就の法号にちなんで大照院としました。

1747年(延亨4年)、火災にあって全焼したため、現在の建物は1750年(寛延3年)6代藩主宗広(むねひろ)が再建したものです。

大照院には、初代藩主秀就以下、偶数代の藩主夫妻、殉死者の墓があります。
そして墓前には、重臣やゆかりの深い人々が献上した603基の石灯籠が並んでいます。

見どころは

(大照院パンフレットより)

毛利家墓所

大照院のいちばんの見どころは、境内左奥にある毛利家墓所。
こちらは国の史跡に指定されています。

墓所には、静謐な雰囲気が漂っていました。

整然と並んだ、数えきれないほどの石灯籠が苔むした様子は、思わず時間を忘れて見入ってしまうほどの美しさです。

得も言われぬ独特の雰囲気。
まるで、別世界に迷い込んだような気分になりますよ。

多くの貴重な文化財

大照院では毛利家墓所のほか、鐘楼門をはじめ、庫裏(くり)、本堂など、多くの建造物が国・県の文化財に指定されています。

国指定重要文化財:本堂、庫裏、書院、鐘楼門、経蔵、木造赤童子立像
県指定文化財:木造釈迦如来座像

(鐘楼門)

1750年(寛延3年)建立の鐘楼門。
その大きさに、ものすごい迫力を感じます。

(庫裏)

県内随一の規模を持つ庫裏。
江戸前期の寺院建築様式を伝える、貴重な建造物です。

(本堂)

とても大きな本堂。
こちらは障子を閉めれば、自由に本堂内に立ち入ることができるようです。

なんたん
なんたん
ひとつひとつの建物の大きさに、萩毛利家の菩提寺として栄えた様子がうかがえますね
本堂裏の書院では、木造赤童子立像を見ることができます。
赤童子は春日大明神の姿であるといわれており、赤童子の彫刻で重要文化財に指定されているものは、全国で大照院のものだけだそうです。

四季折々の見どころは

夏は万灯会で幽玄の世界を堪能

(山口県観光サイトおいでませ山口より)

毎年8月13日に行われる「萩・万灯会」の迎え火では、毛利家墓所のすべての石灯篭にロウソクの灯が入り、霊をとむらいます。

日中とはまた違う、墓所一面に広がる幽玄の世界に、多くの方が魅了されることでしょう…。

つぶた
つぶた
万灯会の送り火は、毛利家奇数代藩主が祀られている東光寺で行われるよ

秋は紅葉が美しいスポット

境内にはモミジなど紅葉する木が植えられてあり、秋は紅葉も見事です。

秋の風情を感じながら、静かな境内を散策してみてはいかがでしょう^^

本堂裏の庭園では、国指定重要文化財の書院とともに、池の周りを紅く彩る紅葉を楽しめます。

写真では日陰になっていて、まったくわかりませんが…、池に映り込んだ紅葉もきれいでした^^

毛利家墓所でも、石灯籠と赤いモミジの美しいコントラストを楽しめます。
訪問した時は、色づきがもう少しでした。

なんたん
なんたん
墓所は日陰なので色づきが遅いようです
荘厳な雰囲気の墓所に、赤いモミジが彩りを添えるさまは、とても美しいでしょうね。

また、庫裏の前庭も、紅葉がきれいですよ。
日当たりがよくて、きれいな紅葉を楽しめます。

春には大フジも

本堂裏の池のほとりには、樹齢300年をこえるフジが10本ほどあります。

大きいものは根回り2m20㎝、その蔓は、高さ30mの杉の梢に届くほどだとか。

萩の歴史の大半を知っているフジは、萩市の文化財に指定されています(上記Instagram投稿の2枚目の写真です)。

本堂裏の書院から池越しに墓所の方を眺めると、樹林の上の方にフジが咲いているのがよく見えるそうですよ。

つぶた
つぶた
フジの花の頃にも来てみたいなあ

まとめ

萩の大照院をご紹介しました。

萩の中心地から離れていることもあり、とても静かで厳かな雰囲気の中、貴重な文化財を拝見することができました。

気になったのは、境内の朽ちている箇所でしょうか。
鐘楼門や本堂などは改修工事を終えていますが、境内はまだところどころ、足元が危なかったり崩れかけの場所もあります。

大変貴重な名刹。少しずつ整備して、後世へ引き継いでいってほしいと心から思います。

なんたん
なんたん
毛利家墓所だけでなく、境内のどこをとっても素晴らしく風情があります。
ぜひたくさんの方に足を運んでいただきたいです!

■毛利家奇数代藩主を祀っている東光寺はこちらでご紹介しています。