萩市の松陰神社から徒歩10分程度の場所にある名刹、東光寺(とうこうじ)
松陰神社が多くの観光客でにぎわう一方、こちら東光寺は参拝客が比較的少なく静かです。その分境内の幽玄な雰囲気をじっくりと感じながら、お寺での時間を過ごすことができます。
今回は境内のどこをとっても美しい、東光寺の由来、文化財と見どころ、御朱印やお寺の中にあるパン屋さんについてご紹介します。

東光寺の由来

東光寺は元禄4年(1691年)、毛利家3代藩主・毛利吉就(よしなり)により創建された、全国屈指の黄檗宗(おうばくしゅう)の寺院で、萩大照院とならぶ毛利家の菩提寺です。(黄檗宗とは、日本三禅宗のなかで江戸時代に始まった一宗派)。

当時は新しいお寺の建立が禁止されていたため、下関の廃寺であった東光寺を現在の萩の地に移したのだそう。
明治に入って寺禄廃止(寺院への給与廃止)により、境内の多くの建物が解体されましたが、今も国指定の建造物が残され、名刹の面影を伝えています。

見どころ・東光寺の文化財

東光寺では総門、三門、鐘楼、大雄宝殿が国指定重要文化財となっています。

総門(国指定の重要文化財)

真ん中部分が持ち上がった屋根と朱塗りの門が目を引く、異国情緒のあふれる総門。東光寺が創建された翌年に竣工したとされる、黄檗風の様式を湛えた門です。
この朱色の元は、古代から使われてきた顔料のひとつベンガラ。そして屋根の端に飾られているのはシャチではなく、これも黄檗風の様式を表す摩伽羅(まから)という想像上の生き物です。
ちなみに摩伽羅はガンジス河の女神の乗物なのだそう。じっくりと見てみたいですね。

三門(国指定の重要文化財)

総門をくぐって進んでいくと、三門があります。この三門は東光寺が創建されて121年後の文化9年(1812年)に竣工しました。
桁行(建物の長さ)11.6メートル、梁間(梁が渡されている長さ)6.7メートル、柱間が三つ、戸口が三つの二階二重門の三門は、地方の寺院としては有数の大規模なものです。

鐘楼(国指定の重要文化財)

見慣れた鐘楼とは異なる、黄檗宗特有の建築様式の鐘楼も、国指定の重要文化財に指定されています。
毛利家四代藩主・吉広公が鋳物師の名工郡司喜兵衛・源太夫父子に命じて鋳造させ、寄進された大鐘が上層に備えられています。
鐘はその由緒から戦時中の鉄の供出から逃れ、今に残り伝えられています。

大雄宝殿

大雄宝殿(だいゆうほうでん)とは黄檗宗での本殿の呼び名で、「お釈迦様のいらっしゃるところ」という意味です。元禄11年(1698年)に竣工しました。
須彌壇上には本尊として、釈迦如来、脇士迦葉尊者、阿難尊者の三尊仏を安置しています。

萩藩主 毛利家墓所(国指定史跡)

東光寺には毛利家三代藩主吉就公から奇数代の藩主のお墓があります。
本堂の裏手にある毛利家の墓所は、別の世界に迷い込んだような静謐な空気が流れています
墓所内に整然と、左右均等に並んでいるおよそ500基の石燈籠。この石燈籠は毛利氏の家臣らが寄進したもので、その一基一基に弔う藩主・夫人の法名と寄進者名・年月日が刻んであります。

写真ではわかりませんが、墓所の中の碑には亀の上に建てられたものが。
これは黄檗宗では亀趺(きふ)と言われ、功績や功徳などを刻んだ石碑を載せるもの、碑を載せる台石を大亀の形にしたものだそう。
異世界を思わせる空間の中に現れる亀趺、より不思議さを増しますね。

毎年8月15日に行われる「萩・万灯会」の送り火では、約500基の石灯篭に灯が入り、まさに幽玄の世界が広がります
萩市内にある毛利家菩提寺、大照院にも同様の石灯篭があり、こちらは8月13日に迎え火として火がともされます。大照院には毛利家偶数代のお墓があります。

秋は紅葉も

秋には紅葉の名所としても知られています
見どころは、石碑の色と紅葉の鮮やかな色とのコントラストが美しい毛利家墓所です。参道のイチョウの紅葉も見どころです。

御朱印

御朱印は書き置きか朱印帳に書かれているものになります。 真ん中に「大雄宝殿」と書かれた、力強い御朱印です。
オリジナル御朱印帳も頒布されています。大雄宝殿と石灯篭の墓所の絵柄の御朱印帳です(大きさ約16cm×11cm、蛇腹式)。

お寺にパン屋さん!“panadería KIKI”(パナデリア キキ)

なんと、東光寺の駐車場にはパン屋さんがあるんだとか!
そんなお寺今までなかったですよね、びっくりです!!

(東光寺公式HPより参照)

店主は東光寺住職の娘さん。パンを作られているのも娘さんで、2019年2月にオープンしたばかりですが、すでに人気のパン屋さんのようです。
取り扱っているパンの種類は、ハード系のカンパーニュ(プレーンと日替り)、フォカッチャ、食パン、そしてメロンパン。
ハード系のパンを広めたいとのことだそうで、ハード系が好きな方はぜひ^^ わたしハード系好きなので、気になります。

“panadería KIKI”
東光寺駐車場側入口横
営業日 金・土・日・月
営業時間 10時~15時(売り切れ次第閉店)

黄檗宗 護国山東光寺 施設情報

〒758-0011 山口県萩市椿東1647
TEL 0838-26-1052、ファックス 0838-26-4070

拝観時間: 8:30~17:00、年中無休
拝観料: 一般(高校生以上)300円 、小中学生150円
駐車場 有(20台、無料)

交通アクセス

公共交通機関
萩循環まぁーるバス(東回りコース)「東光寺前」バス停より徒歩1分(定額料金100円)。
まぁーるバスは西回りと東回りのコースがあり、約30分毎に運行しています。
東回りコースはJR東萩駅、萩駅にも泊まりますのでJRでお越しの際にも便利に利用できます。

まぁ~るバスの時刻表など詳細は、萩市ホームページをご確認ください。

自家用車
・山陽自動車道「防府東IC」より国道262号線経由でおよそ1時間
・中国自動車道「美祢東JCT」より、小郡萩道路経由「絵堂IC」出口から車で20分

東光寺公式ホームページはこちら

まとめ

萩市東光寺についてお伝えしました。
黄檗宗のお寺として不思議な雰囲気の伽藍、そして何とも言えない異世界を感じる毛利家墓所など、見どころの多いお寺です。
ぜひ萩市においでの際は、東光寺にも足を運んでみてくださいね。住職の娘さんのパンも一緒に^^