「十朋亭(じっぽうてい)維新館」は、2018年にオープンした、山口市大殿にある幕末歴史ミュージアムです。
大殿地区は大内文化や明治維新の面影が残る、風情ある街並みが広がる場所。寺社仏閣や観光スポットが数多く残っており、十朋亭維新館も山口の歴史を感じられる施設のひとつです。
「十朋亭維新館」場所や駐車場情報
十朋亭維新館があるのは、山口市下竪小路。
周辺には八坂神社や山口ふるさと伝承センター、大内氏館跡などがあり、歴史の面影が残る町並みが広がっています。
電話番号:083-902-1688
営業時間:9時~17時
休館日:火曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
入館料:無料(本館展示室のみ有料:高校生以上200円、小中学生100円)
公式サイト:十朋亭維新館
駐車場は敷地内にはありません。
近くの観光用駐車場をご利用ください。
※障がい者専用駐車場が駐輪場となりに用意されています。
【八坂神社前観光駐車場(普通車約20台)】
※十朋亭維新館まで徒歩4~5分
【龍福寺駐車場(普通車約20台)】
※十朋亭維新館まで徒歩2分
十朋亭維新館とは
十朋亭維新館は、山口市指定史跡の十朋亭、杉私塾、萬代家主屋、本館からなる施設。この地で代々醤油醸造を営んできた萬代(ばんだい)家の土地、建物などを山口市が譲り受け、「幕末歴史ミュージアム」として整備したものです。
醤油業を家業とした萬代家は三代目利兵衛のときに大きく栄え、五代目利兵衛の頃には山口越荷方会所の頭取を務めました。幕末、藩の資金調達に尽力したそうです。
見どころは
十朋亭(山口市指定史跡)
もともと十朋亭は萬代家の離れでした。
幕末、長州藩主・毛利敬親が藩府を萩から山口に移した際、藩の役人たちの住まいが大量に必要になり、豪商や豪農の離れが利用されました。ここ十朋亭もそのひとつです。
五代目利兵衛は藩の志士たちの活動を支援していたことから、高杉晋作や久坂玄瑞、桂小五郎など、名高い志士たちが十朋亭に出入りしていたそうです。
志士たちのなかでも、とくに萬代家と縁が深かったのが、伊藤博文と井上馨でした。
ふたりは長州ファイブの一員としてイギリスに密留学しましたが、4カ国連合艦隊による下関砲撃の計画を知ると、戦争を防ぐため急ぎ帰国。富海(防府市)を経て、ここ十朋亭に滞在したのです。
明治になっても親交は続き、伊藤博文は萬代家に自作の漢詩を書いた1mの「大杓子」を贈りました。その後に萬代家を訪れた井上馨も、その大杓子に漢詩を書き込んだそうです。
十朋亭維新館本館
本館はガイダンスゾーン(無料)と展示室(有料)に分かれています。
ガイダンスゾーンには、山口市内の観光スポットを紹介する「やまぐち街歩き案内図」や、萬代家から寄贈された本(萬代文庫)、ミュージアムショップなど、山口をもっと楽しめるコンテンツが用意されています。
杉私塾
「杉私塾」は、萬代家の建物のひとつ。
明治のはじめ、吉田松陰の実兄・杉民治(すぎみんじ)が私塾を開いたとされています。
萬代家主屋
(十朋亭維新館インスタグラム投稿より)
敷地のいちばん奥にある主屋は、明治22年頃に茶室として建てられ、その後主屋として改修された建物です。
いくつもの茶室が設けられてあり、座敷と茶室の間にはお庭があります。
まとめ
十朋亭維新館が面する竪小路は、江戸時代の参勤交代の道「萩往還」でした。
山口市大殿周辺は、大内氏が京都を模してまちづくりを進めた地域でもあり、大内氏の時代と幕末の歴史名所や史跡が数多く残る、歴史的にも貴重な場所です。
十朋亭維新館をはじめ、歴史の面影が色濃く残る大殿の街歩きをお楽しみください。
観光案内所「大路ロビー」の公式サイトなどで案内していますので、ぜひご覧ください。