香月泰男(かづきやすお)は、戦後日本美術史に大きな足跡を残した画家。
代表作として、過酷なシベリア抑留体験をもとに描いた「シベリア・シリーズ」が知られています。
シベリア体験をキャンバスに描く一方で、生涯ふるさと三隅の地で、石や木、缶などで作った手のひらサイズのおもちゃや、ユーモアあふれるオブジェなどを作り続けました。
この美術館には、香月泰男の初期から晩年の油彩画、デッサンやおもちゃなどが展示されています。
ずっとずーっと、行ってみたかったんです^^
※2024年6月3日~7月4日は館内設備点検のため休館です。
■香月泰男の生涯、名言など、こちらの記事でご紹介しています。
⇒香月康男【代表作シベリアシリーズで知られる画家】略歴や名言を紹介
香月泰男美術館・実際に行ってきました
美術館の周りには、あじさいやサツキツツジといった花木が植えられ、緑がいっぱい。
自然が爽やかな空気を楽しみながら、ゆっくりと建物へ向かいます。
駐車場から美術館への道は登り坂です。
道路から美術館までの坂道は車いす対応があり、インターホンで連絡できるようになっています。
館内の様子は
坂道を登って建物に着くと、かわいらしいアシカのオブジェが出迎えてくれます。
初めての香月泰男美術館に少々緊張していましたが、このオブジェを見て心がほぐれました。
館内には展示室、おもちゃ展示コーナー(常設展示)、再現アトリエ、展望室、中庭、ミュージアムショップがあります。
ロビー、中庭は写真撮影可とのことです
それらの展示作品からは、家族への愛、絵を描くことへの情熱、小さなものへの慈しみ、ユーモアといった、香月泰男の温かな人柄を感じることができますよ。
サン・ジュアンの木(中庭)
中庭には、美術館のシンボルツリー「サン・ジュアンの木」があります。
香月泰男はシベリアから帰還する際、サン・ジュアンと呼ばれる食用の豆を持って帰り、自宅の庭に植えました。
この木は、香月泰男が植えた木の子孫です。
サン・ジュアンの木は、童話「ジャックと豆の木」に出てくる豆の木と同じもの。
シベリアでサン・ジュアンの豆を食べながら、ふるさとに残した子どもたちのことを思っていたといいます。
サン・ジュアンの木のまわりには、楽しそうに遊ぶ子どもや親子のオブジェが。
なかには、PIEACEと書かれた小さなオブジェもありました。
とても穏やかで楽しそうなこの空間には、画家の「二度と戦争を起こしてはいけない」という願いが、込められています。
びじゅつかんのハーブ園
見どころは館内だけではありませんでした!
美術館を出て左手には、ふれあい広場と「びじゅつかんのハーブ園」があります。
きれいに整備された広場には、ベンチや小高い丘が設置されています。
お天気の良い日には、ここで遊んだり、お弁当を食べたりして、のんびりと過ごすことができますね。
すぐ脇には桜並木もあったので、春にはお花見で訪れる方も多いのではないでしょうか^^
桜並木の小径を進むと、美術館のハーブ園に出ます。
ハーブ園には、ミニバラやチェリーセージ、原種タンポポ、オリーブ、ラベンダーなどなど、約80種類のハーブが植えられているそう。
園芸好きとしては、ものすごくワクワクしてしまう空間でした^^
調べてみたところ、こちらのハーブ園は美術館のものではなく、地元の方々が整備されているとのことです。
香月泰男美術館・基本情報
場所 | 長門市三隅中226 |
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電話番号 | 0837-43-2500 |
開館時間 | 9時~17時(入館は16時30分まで) |
休館日 | 毎週火曜日(火曜が祝日の場合は開館、翌平日休館)、展示替期間、年末年始 |
入館料 | 一般500円(400円)、小中高生200円(150円)、未就学児 無料 ※( )内は団体料金 ※4館共通入館券あり(下記にて紹介) |
アクセス | 【長門市内方面から】国道191号線を三隅I.C.で左折し、県道36号線へ入る 【美祢方面から】美祢I.C.から国道435号線、県道31号線を経由し、県道36号線を通って湯免温泉へ 【公共交通機関】JR長門市駅を下車、バスで約20分(湯免温泉バス停下車、徒歩3分) |
駐車場 | あり(無料) 駐車場内にトイレあり |
その他 | ・館内の展示室、展示作品は撮影禁止(中庭、ロビーは撮影可) |
公式サイト | 香月泰男美術館 公式SNS(X)、(インスタグラム) |
割引はありませんが、4館共通入館券というお得な入館券があります。
長門市内の4つの文化施設(香月泰男美術館、村田清風記念館、くじら資料館、金子みすゞ記念館)に入館できます。
一般700円、小中高生300円、未就学児は無料です。
有効期限は1か月。
お得に長門市内の文化施設をめぐる、よい機会になりますね^^
まとめ
香月泰男美術館をご紹介しました。
「ここが私の地球だ」と言って、ふるさと三隅の地をこよなく愛し続けた香月泰男。
「私の地球」三隅で、画家の温かさにあふれたオブジェや作品を実際に見られたことは、本当にしあわせでした^^
美術館の玄関正面には、香月泰男の名言「一瞬一生」を刻んだ石碑があります。
香月泰男は「一瞬が一生に思えることもある。一生が一瞬に思えることもあるだろう」と言っていたといいます。
この石碑もお見逃しなく。
ぜひ美術館で、香月泰男の世界を感じてみてください^^