明治から昭和初期にかけて活躍した俳人・種田山頭火(たねださんとうか)ゆかりの地として知られる防府市。

その中でも「護国寺(ごこくじ)」は、山頭火のお墓や句碑、像が多数ある、山頭火の句のファンの方必見のスポットです。

つぶた
つぶた
住宅街の中に山頭火ゆかりのお寺があるなんてびっくりしたよ
なんたん
なんたん
境内には見どころがいろいろあったわ
この記事では、護国寺の歴史、山頭火ゆかりの史跡、見どころをご紹介します。

護国寺の歴史

護国寺は曹洞宗(そうとうしゅう)の寺院です。
境内にお寺の歴史を記した案内板がなく、調べてみても創建やご由緒がわかりませんでした。

創建年代はわかりませんが、境内にある笠塔婆は鎌倉時代に建立されたものだそう。

鎌倉時代に遡るほど、歴史のある寺院ということなのでしょうね。

護国寺の見どころ・山頭火の足跡と歴史遺産

山頭火像やいくつもの句碑

護国寺に着いてまず驚くのは、山門前に建立されている山頭火の像です。

像のとなりには背の高い句碑が並べてあり、何も知らずに訪れても、山頭火ゆかりのお寺であることがひと目でわかります。

境内に足を踏み入れると、山頭火の俳句が刻まれた句碑がいくつも設置されています。

「枝に花が 梅のしづけさ」

といった、詩情あふれる作品に出会えるのも、境内散策の楽しみのひとつですね。

なんたん
なんたん
境内には13基の句碑があるんですって
つぶた
つぶた
句碑に刻まれているのは山頭火の自筆なのだそう

境内の奥には山頭火のお墓があります。
各地を旅した山頭火は四国の松山で亡くなりましたが、息子さんが遺骨を防府へ持ち帰り、お墓を作りました。

もともとのお墓は墓標もなかったそうで、その後、地元の方々が句碑とお墓を造られたのだとか。

お墓は市営墓地にありましたが、山頭火が出家したのが曹洞宗だったため、同じ宗派の護国寺で面倒をみていました。

次第に観光で訪れる方が増え、お寺に移して管理することになったのだそうです。

なんたん
なんたん
だんだんと山頭火の句が知られて大切にされてきたのでしょうね
つぶた
つぶた
山頭火が大好きだったお酒がお供えしてあったよ
今回見のがしてしまいましたが、本堂の裏手には山頭火資料館もあるそうです。

県指定有形文化財・笠塔婆

護国寺には山頭火ゆかりの史跡のほか、見どころがたくさんあります。
ひとつは、境内入って左手にある「笠塔婆」です。

笠塔婆は、平安時代末期から江戸時代にかけて造られていた、亡くなった方の霊を慰める供養塔です。
刻まれている銘文から、この笠塔婆が建立されたのは鎌倉時代初期とわかっています。

笠の石も土台もほぼ当時の姿を残しており、とても貴重。
その土台や梵字を入れた意匠(デザイン)、装飾は、他に類を見ない立派なものだそうです。

なんたん
なんたん
境内に笠塔婆についての説明板があったので、その貴重さがよくわかりました!
つぶた
つぶた
刻まれている梵字の説明書きもあったよ

十二支御守本尊や摩尼車も

笠塔婆の向かいには、十二支御守本尊がずらりと並んでいます。

自分の干支の本尊にお参りすると、ご加護を受けられるのだそう。

干支それぞれでご加護の内容、念仏が異なっていました。

なんたん
なんたん
もちろん、自分の干支の御本尊にお参りさせていただきました

十二支御守本尊のそばには、摩尼車(まにぐるま)がありました。

摩尼車はチベット発祥の仏具で、経文を唱えながら一回まわすと、お経を一巻読んだのと同じ功徳が得られるといわれているそうです。

つぶた
つぶた
摩尼車、初めて見ました!
境内には、かわいらしい「おねがい地蔵」や「子育地蔵尊」もありました。

護国寺のアクセス、駐車場情報

場所 防府市本橋町2-11
御朱印 あり
駐車場 あり(無料)
アクセス ・JR防府駅から徒歩25分
・山陽自動車道防府東IC車で約5分、防府西ICから車で約10分
その他 住宅街の中を通る道のそばにあります。
道路が少し狭いので、車で来られる方は気をつけておいでください。
周辺観光地 防府天満宮、山頭火ふるさと館など

まとめ

防府市の護国寺をご紹介しました。

防府に住んでいながら、護国寺を訪れたのは初めてでしたが、こんなにも山頭火の句碑や像などがあって、境内も整備されているとは思っていませんでした。

けして広い境内ではありませんが、山頭火の功績を多くの方々に伝えようとする思い、来られた方たちに楽しんでもらいたいという思いが伝わってきました。

防府には護国寺をはじめ、山頭火ゆかりの史跡がたくさんあります。
史跡をめぐりながら山頭火の句に思いを馳せ、心穏やかな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

※山頭火のお墓については、春陽堂書店サイト内の記事(山頭火が生まれた町、山口県防府市を旅する)を参照しました。