山口市徳地にある出雲神社(いずもじんじゃ)は、大変古くからの歴史を持つ周防国二の宮神社です。

社伝によると、創建は奈良時代前半。およそ1300年の歴史を持ち、古くから多くの人々の信仰を集めてきました。

神聖な空気漂う境内を、歴史や自然に触れながら参拝できるスポットです。

この記事では、周防国二の宮出雲神社のご由緒、縁結びや開運のご利益で知られる御祭神、境内の見どころなどをご紹介します。

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出雲神社・創建の歴史、ご由緒

出雲神社(山口)案内板・神社一覧

出雲神社の創建は、奈良時代前半の霊亀元年(715年)。
社伝によると、大古出雲族の佐波川流域への膨張発展に伴い、その祖神を鎮斎(ちんさい)したものと考えられています。

天平9年(737年)には周防二ノ宮として定められ、平安時代の延長5年(927年)に完成した『延喜式神名帳』には、周防国内十座の内に出雲神社二座が記載されています。

これらから、朝廷をはじめ摂政の藤原氏らによって、篤く崇敬されていたことがわかります。

鎌倉・室町時代には、大内・毛利氏など歴代の藩主の祈願所となり、大内氏の第15代当主・大内義興(おおうちよしおき)は五社参詣の折に立ち寄ったといわれています。

江戸時代には徳地地方の総氏神として、藩主、地元の人々によって守り継がれてきました。

出雲神社・御祭神、ご利益

出雲神社(山口)一の鳥居

出雲神社の御祭神は、大己貴命(おおなむちのみこと)と事代主命(ことしろぬしのみこと)。

どちらも出雲の神様で、大己貴命は別名大国主命。事代主命は大己貴命の子です。

大国主命は日本神話に登場する神様で、国造りの神様として知られています。
出雲大社の主祭神でとしても有名ですね。

大国主命は縁結び、開運、農耕、商工業、医薬など、さまざまなご利益があるといわれています。

徳地と出雲には歴史的に深い関りがあるんですね。

出雲神社(山口)の銘が入った石碑

また、境内末社には宇佐八幡宮、若宮八幡宮が鎮座しています。

宇佐八幡宮は、応神天皇・比売大神・神功皇后をお祀りし、若宮八幡宮は誉田天皇(応神天皇)・仁徳天皇をお祀りしています。

出雲神社・見どころ

歴史ある社殿

出雲神社(山口)の拝殿

古くから歴史のある出雲神社ですが、江戸時代の延享3年(1746年)、火災により境内すべての建物を失うという悲劇に見舞われました。

現在残る社殿は、寛延3年(1750年)、藩主毛利宗広(もうりむねひろ)公により再建されたものです。

出雲神社(山口)拝殿

再建されてから270年以上を経た社殿には、ところどころ補強がされていました。
上に飾られている歌人の和歌の額も、修理されたそうです。

境内にある参籠所、神饌所も大変古く、歴史を感じられる建物でした。

二つの天然記念物・大杉とツルマンリョウ自生地

出雲神社(山口)大杉

周りを森に囲まれた出雲神社には、二つの天然記念物があります。

ひとつは山口市指定天然物・二の宮の大杉です。
根本の周囲12.5メートル、樹高43メートル。

古くから高杉大明神と呼ばれ、出雲神社の御神木として親しまれてきました。

出雲神社(山口)の大杉・遠景

大きすぎて近くからは全体がわからないぐらいです。

少し離れてみると、まっすぐに伸びて茂っている様子がうかがえます。

出雲神社(山口)ツルマンリョウ自生地案内板

そしてもう一つは、国指定天然記念物・ツルマンリョウ自生地。

ツルマンリョウの自生の北限として貴重なのだそうです。

杉並木の参道と境内を囲む森

出雲神社(山口)参道の杉並木

出雲神社の周りは背の高い木々に囲まれています。
緑に包まれた境内で、深呼吸してほしいです^^

はじめに驚いたのは、参道の杉並木。
参道の両脇に背の高い杉の木が植わっており、その様子は壮観。すごいパワーを感じます。

風が吹くと心落ち着くような杉の香りが漂い、場を清めているかのようでした。

出雲神社(山口)境内の木々

二の鳥居の中も背の高い木々が取り囲んでおり、境内が森に守られ、神聖な雰囲気が漂っています。

風が吹けば葉擦れの音が聞こえ、緑の香りに包まれ、とても静かで落ち着く境内でした。

木々の手入れも地元の方々が行っているようで、木を剪定したあとが残っていました。
境内も建物も、地元のみなさんによって、守り継がれているのですね。

出雲神社・年間行事、神事

出雲神社では、年間をつうじて例大祭や神事が行われます。

なかでも秋の大祭には、七曲(ななまがり)、七拾五膳(しちじゅうごぜん)という、特別なお供えの食事を献供する、古来より伝統的な特殊神事が行われています。

出雲神社(山口)お手水

特殊神事のお供えを調理する際は、必ずお手水の神饌水を使用するそうです。

この水は神社の森の麓の湧水で、清らかな御神水として大切にされています。

出雲神社・基本情報

出雲神社(山口)案内板

場所 山口市徳地町堀3572
問合せ 0835-52-0365
境内に社務所はありますが、訪問時は不在でした。
御朱印 社殿に書置きの御朱印が置いてあります。
封筒に御朱印代(金額はお気持ちとのこと)を入れ、賽銭箱に入れてくださいとのことです。
御朱印帳に直書きの場合、問い合わせください。
駐車場 あり(無料)
出雲神社御旅所(一の鳥居脇)の空き地に2~3台駐車できます。
アクセス 中国自動車道徳地I.C.から約7
公式サイト 周防二の宮 出雲神社

まとめ

山口市徳地にある出雲神社をご紹介しました。

徳地に出雲とはどういうことだろう、と思っていたのですが、徳地は出雲と古くから深い関りがあったのですね。

徳地は木材が豊かで、奈良の東大寺再建の折には徳地の木材が使われていたといわれています。
そして、清らかな佐波川が流れています。

出雲神社は、そんな徳地の自然の豊かさと力強さ、歴史を感じられるスポットでした。

徳地にドライブされる際は、歴史ある周防国二の宮出雲神社へ足を運んでみてくださいね。

※出雲神社のご由緒、御祭神については出雲神社公式HP、案内板(神社一覧)、特殊神事については大内文化まちづくりHPを参考にしました。

■徳地にある県下最古の木造建築「月輪寺薬師堂」について、こちらでご紹介しています。