なんたん
なんたん
ちょるちょるやっちょる踊っちょる~♪
みちょるやっちょる踊っちょる~♪
「ちょるちょるやっちょる」って何それ~。変なの~笑
つぶた
つぶた
なんたん
なんたん
つぶたくん、変ではありませんよ。これは山口県民、とくに防府市民はみんな知っている(はず)「防府音頭」の歌詞なのです!
山口県のご当地キャラクターも「ちょるる」だし、ご当地音頭にも採用されているのだから、「ちょる」は山口県独自の方言、山口弁に違いない。はい、わたしはそう思っちょったのです。

それが、山口県以外にも、九州、四国などでも使われていると知った時は、ちょっとがっかりしてしまいました…(;^_^A

とはいえ、「ちょる」は山口県を代表する方言です。この記事では、方言「ちょる」の意味、使われている地域などについて、あらためて調べてみました。

「ちょる」はどこで使われている?

「ちょる」は山口県のほか、九州地方の東側、中国、四国地方など、おもに西日本で使われています。

山口の「ちょる」

山口県では、ほぼ全域で「ちょる」が使われています。

その証拠に(?)、山口県のご当地キャラクターは、方言「ちょる」から名前をつけた「ちょるる」です!

なんたん
なんたん
公式サイトにも「ちょるる」の名前は、「山口弁の会話の語尾に使われる「ちょる」をアレンジしたもの」と書かれています

九州の「ちょる」

九州では、大分、宮崎、福岡(北九州や筑豊地方)、熊本(阿蘇など大分に近い地域)といった、九州の東側の地域でおもに使われているようです。

ところが詳しく調べていくと、佐賀(唐津地方)、鹿児島、長崎(一部の地域)など、東側以外の地域でも使われていることがわかりました。

つぶた
つぶた
鹿児島弁での告白は「好いちょる」とか言うらしいよね
なんたん
なんたん
宮崎では、地域通貨の名前に「ちょる」が使われていたみたいです(現在は不明)
九州の中でも、「ちょる」やそれに似た語尾が入りまじっているので、ほかにも使われている地域があるかもしれませんね。

広島の「ちょる」

山口県のおとなり、広島でも「ちょる」を使います。
広島県内でも、広島市内では「~しとる」を使い、「~ちょる」を使うのは呉(くれ)市周辺なのだそうですよ。


広島と山口のおとなり、島根でも「ちょる」を使います。
鳥取では「ちょる」も使いますが、「(し)とる」を使う方が多いのだそうです。

高知の「ちょる」

高知(土佐弁)では「ちょる」を語尾に使いますが、現在は「ちゅう」が主流のようです。

今は、県西部(幡多弁)で「ちょる」が使われています。

土佐の幕末の志士・坂本龍馬の名言に、「疲れちょると思案がどうしても滅入る。よう寝足ると猛然と自信がわく」とあります(龍馬伝/司馬遼太郎著)。
龍馬も日常会話に「ちょる」を使っていたのですね。なんだか嬉しくなりますね^^

また、愛媛の南側で話されている宇和島弁でも「~しちょるがよ」のように、「ちょる」を使うそうです。

四国では南側の地方で「ちょる」が使われているのですね!

「ちょる」の意味や使われ方は?

「ちょる」は語尾につける言葉で、標準語の「~している」と同じような意味を持ちます。

とはいえ、単純に「~している」=「~ちょる」ではないようです。

つぶた
つぶた
え? ちょっと難しい感じ…?
なんたん
なんたん
まあまあ。気になるからちょっと調べてみました

標準語の「~している」には、おもに2つの意味があります。

①ある動作が進行中であること(例「今、勉強している」)、②ものごとが完了してそのまま保たれていること(例「そのことはもう知っている」)です。

これを、山口や他の「ちょる」を使う地域などでは、「~している」のおもな2つの意味によって、使い分けをしています。

①ものごとの進行を表す「~(し)よる」と、②ものごとの完了や存続を表す「~(し)ちょる」です。

標準語 意味
「~している」 ①進行中 「~よる」「~しよる」
例)今、勉強しよる
「~している」 ②完了 「~ちょる」「~しちょる」
例)もう知っちょる

つぶた
つぶた
「~ちょる」と「~よる」かあ。そういえばそうだね。全然意識してなかったなあ
なんたん
なんたん
標準語にはない時間的な区分を語尾で使い分けているのね! でも最近は、混じっている場合も多いみたいです

西日本、九州の方言では、「~している」の進行形と完了形を言い分けるところが多いそうですよ。

まとめ

方言「ちょる」について、使われている地域や意味などをまとめてみました。

山口県だけの方言かと思いきや、けっこういろんな地域で使われていて、山口県民はちょっと寂しい…いえ、同じ語尾を使う地域が多くて、うれしいです!

山口県民としては、「ちょる」は山口を起源にして、九州や四国など近隣の県に広まっていったのだと思いたい、です^^

よく調べてみると、愛知の一部でも使われている様子。「ちょる」の分布、おもしろいですね。もっと深く調べてみたくなりました。

この記事をきっかけに、方言について関心を持っていただけると幸せます^^