「おばいけ」ってご存じですか?
下関の実家では時々食卓にのぼっていた、おばいけ。
見た目は白っぽくてぴらっとしていますが、これはなんと、くじらなんですよ。
今回は山口の郷土料理のひとつである「おばいけ」について、食べ方や味、栄養などを調べてみました。
おばいけとは?
くじらのどの部位?
おばいけ・・・その名前からはくじらのどの部位なのか、さっぱりわかりませんね。
実物を見てみると「白いから脂の部分かな?」となんとなく想像できます。
じつはおばいけは、くじらの尾びれの部位なんです。
尾びれの部分は尾羽毛(おばいけ)、尾羽(おば)、おばけなどと呼ばれています。
くじらの尾の部分が羽のような形をしていることから、尾羽毛と言われるようになったそうです。
今では多くは、尾の部位を薄くスライスしたものおばいけと呼んでいます。
おばいけの呼び名
古来から捕鯨が行われていたため、おばいけは日本各地で古くから食べられてきました。
おばいけ、おばけ、さらしくじら、おば雪、おばきなど、地方によって呼び名は違いますが、どれも同じです。
ちなみにわたしがスーパーで買ったのは「さらしくじら」でした。
「おばいけ」と書かれていたものも数パックありましたが、ほとんどが「さらしくじら」と書いてありました。
おばいけの作り方は?
おばいけには尾の部位の塩漬けを使います。
尾の部分を薄くスライスし熱湯をかけると、白い縮緬のようにふわふわになります。
それを冷水にくぐらせ、匂いをとります。
匂いと脂が強いときは熱湯と冷水を何回か繰り返し、最後によく水気を切ります。
これでおばいけの完成です^^
おばいけは家庭で作ることはほぼありません。
スーパーや魚屋で、できているものを買ってくるようになります。
おばいけの味は?
薄くてひらひらと、白い雪のようなおばいけ。
酢みそと一緒にいただいてみました。
子どもたちがおばいけを食べるのは初めてです。
さて息子、たいてい何でも食べる子ですが・・・
わたしも何十年ぶりかで、いただきます。
おっ、コリコリしておいしい^^
噛むごとにくじら独特の風味が広がって、それが酢みそと合わさってよい感じ。
おばいけは、くじらのお肉の中でもとてもおいしい部位なんだとか!
だからこういうシンプルな食べ方が合うんでしょうね。
小さい頃食べたおばいけは、もっとスカスカしてなんとも言えない味の記憶があったのですが、あらためて頂いてみてびっくり。
わたしの年齢が増したからなのか、何十年を経て品質がより良くなったからなのか・・・。
ちなみにおばいけは、お吸い物の具としてもおいしく頂けるのだそうです。
おばいけの栄養は?
食感がクセになるおばいけですが、こんな白っぽくていったいどんな栄養があるの・・・?と気になりますね。
購入したパックを確認してみると、100gあたりの栄養表示は、
エネルギー95kcal、たんぱく質12.4g、脂質5.0g、炭水化物0.1g、食塩相当量0.01g
でした(1パック60gでした)。
高たんぱく低カロリーですね。
添付されている酢みその方が高カロリーでした・・・。
もともとのくじらの尾の部位(おばいけ)は、脂肪とゼラチン質が多くて栄養価が高い部位。
おばいけとして料理すると、栄養価が低くなってしまうんですね。
栄養価的にはちょっともったいないかも・・・?
おばいけの価格は?通販は?
おばいけは西日本ではスーパーでも販売しています。
わたしが購入したさらしくじらは、60グラムで398円(税抜き)でした。
ちょっと良いお値段?です。
節分だから買ったんですけどね^^
おばいけは通販でも取り扱いがありますので、くじらの本場、下関の店舗の通販をご紹介しますね。
>>下関のくじら・ふぐ問屋であるマル幸商事オンラインショップ
>>関太郎印のくじら専門店
おばいけと、他のくじらの商品も一緒にいかがでしょう^^
おばいけは山口県の郷土料理
山口県民は節分にくじらを食べる
全国的に食べられているおばいけですが、山口県の郷土料理のひとつです。
また、節分の日に食べる行事食でもあります。
山口県とくじら
山口県にくじら食の風習が残り、郷土料理にもなっているのは、昔山口で捕鯨が盛んだったことに由来します。
県の北部である北浦沿岸(長門市沿岸)地域では、江戸時代を中心に古式捕鯨が行われていました。
明治に入ると下関が近代捕鯨の基地として栄え、「くじらの街」として発展しました。
※2019(令和元)年6月末に日本政府は国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、7月1日から31年ぶりに商業捕鯨が再開されました。
まとめ
今回はおばいけについて調べてみました。
何となく知っていたおばいけでしたが、部位や呼び名、地元山口県とくじらの関係など、調べてみるといろんなことがわかって、頭がこんがらがってしまいました(;^_^A
わかりやすくお伝えできたか少々心配です。
子どもたちにも節分などの行事をとおして、くじらの食文化を伝えていきたいですね。
おばいけも、今度はだんなさんのお酒のお供に買ってみようかな。