山口大神宮は、大内氏第15代当主・義興(よしおき)公が、伊勢からご分霊を勧請して創建した神社で、2020年(令和2年)に鎮座500年を迎えた古社です。
伊勢信仰が盛んだった江戸時代には、「西のお伊勢さま」といわれ、多くの参拝客でにぎわったといわれています。
この記事では、今も地元山口の人々の崇敬をあつめる山口大神宮のご由緒やご利益、駐車場、御朱印などの受付時間についてご紹介します。
山口大神宮はどこにある?
室町時代、大内文化が栄え「西の京」と呼ばれるほど隆盛した山口。
今も当時の風情が残された街並みには、栄華をしのぶ名所が多数残されています。
山口大神宮があるのはなんと、山口県庁のすぐそば。
ちょうど県庁西門の向かい側です。
車どおりが多い国道9号線バイパスの近くで、付近には県立博物館や図書館など県の施設が多くある場所です。
JR山口駅から駅通りをとおって、徒歩でおよそ25分。
車では中国自動車道小郡ICから15分です。
国道9号線沿いに県庁があり、道路沿いに大きく「山口大神宮」の看板があるのでわかりやすいですよ。
駐車場
山口大神宮には何ヶ所か駐車場が用意されています。
いちばん神社に近いのは、境内の社務所の向かい側におよそ15台駐車できるスペース。
山口大神宮車道と書かれた看板を曲がって坂を少し上ると、左側に駐車場があります。
そのほか、道沿いに3~4ヶ所に分かれて山口大神宮の駐車場が用意されており、1ヶ所につき10台ずつ程度駐車できます。
平日は参拝客もそんなに多くないので、余裕を持って駐車できますよ。
境内の配置図は
石鳥居から境内に入り社務所の前を過ぎると、右手に高嶺稲荷神社、階段をあがると左手に多賀神社が鎮座しています。
その奥に大きな鳥居があり、石段を登ると山口大神宮本殿(内宮、外宮)です。
山口大神宮とはどんな神社?
ご由緒は?
山口大神宮は1520年(永正17年)、大内氏の第15代当主・義興(よしおき)公が朝廷に奏聞し勅許(天皇の許し)を得て、伊勢神宮のご分霊を勧請(かんじょう:神仏の分霊を招き迎えること)した神社です。
義興公は京都にて足利幕府の守護代をつとめた頃、伊勢大神宮に参拝し、荘厳な神霊(神のみたま)にうたれ、この神霊を山口にもお迎えしたいという強い気持ちを持たれました。
山口に帰った義興公は、さっそくこの地を神域と定め、社殿を造営したのです。
社殿は伊勢大神宮と同じ形式の、素木神明造り。
また伊勢神宮と同じく21年ごとに式年遷宮を行っていましたが、明治以降は必ずしも21年ごとの式年遷宮は行われず、延期したり簡略化したりしています。
伊勢大神宮から直接ご分霊を受けて太神宮社が創建されたのは、明治になるまでは日本国中ではこの山口大神宮だけでした。
そのため伊勢信仰が盛んだった江戸時代には、遠くて伊勢神宮まで行くことができない、中四国地方や九州地方の人たちが参拝する神社として栄え、「西のお伊勢さま」として親しまれました。
ご利益、ご祭神は?
内宮(ないくう)の主祭神は天照皇大御神(あまてらすおおみかみ)、外宮(げくう)は豊受大御神(とようけのおおみかみ)を主祭神としてお祀りしています。
天照皇大御神は八百万の神々の中で最高位に位置する神。
国土安泰、子孫繁栄、五穀豊穣など、あらゆるご利益があるとされています。
外宮の主祭神・豊受大御神は、天照大御神のお食事を司る御饌都神(みつけかみ)で、衣食住や産業をの守り神としても人々の崇敬を集める神です。
外宮の前方には籾置石と呼ばれる大きな平たい岩があり、稲籾麦の種子をこの上に置き、その作物の尾虫よけ豊作を祈ったと言われています。
また、内宮、外宮それぞれに別宮・摂社があり、それぞれ祭神をお祀りしています(詳しいご祭神は公式サイトからご確認ください)。
御朱印やお守りの受付時間は?
御朱印、お守りは社務所で受け付けています。
受付時間は午前9時~午後4時半です。
本日の最後は山口の山口大神宮と多賀神社です。
茅の輪くぐりもして半年の厄も祓いました。
これでまた半年は楽しく活動できそうです😆
帰りに社務所で直書きの御朱印を頂きました✨
それでは家に帰りましょう🎵#山口 #山口大神宮 #多賀神社 #御朱印 pic.twitter.com/GoSI1UGjjW— ハクオロ (@GRrrfT8By7OHHUi) July 11, 2021
社務所では、境内社である多賀神社の御朱印もいただけます。
御初穂料は一枚300円。呼鈴を押すと対応してくださいますよ。
境内社やそのほかの見どころは?
多賀神社(たがじんじゃ)
山口大神宮の境内にある多賀神社は、近江(滋賀県)の多賀大社のご分霊を勧請した神社で、創建年月はわからないそうです。
ご祭神は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)。
国生みの神であることから長寿と安産の神さまとして知られ、さらに縁結び、学業成就などの信仰を集めています。
拝殿の脇には「安産石」といわれる石が安置してあり、この石を撫でて延命長寿を祈り、病気平癒、安産延寿を祈願するならわしがあるそう。安産祈願でお参りする方も多くいらっしゃいます。
高嶺稲荷神社(こうのみねいなりじんじゃ)
山口大神宮の末社である高嶺稲荷神社(こうのみねいなりじんじゃ)は、農産物の守護、商売繁盛、三難(病・火・盗)消除の神として古くから信仰されています。
本殿の近くには石敢当(いしがんとう)といわれる、魔除けとして道端に建てられる石碑があります。
中国大陸に起源があり、本州では珍しいものです。
木彫神馬(きぼりじんめ)
馬舎には木彫りの神馬が2頭います。
こちらは全国的にも珍しい木彫りの神馬。
1820年(文政3年)に寄進されたもので、なんと3年がかりで造られたものなのだそうです!
まとめ
今回は「西のお伊勢さま」山口大神宮をご紹介しました。
はじめて参拝しましたが、大神宮の本殿に向かう石段から空気が変わるのを感じられるほど、神聖な雰囲気に包まれていました。
まさに心が洗われ、初心に立ち返らされるような不思議な感覚でした。
伊勢神宮は遠くて参拝が難しいという方には、ぜひ山口大神宮にご参拝いただきたいです。
大内義興公が伊勢神宮で感じられた壮麗な雰囲気を、山口大神宮で体感してみてはいかがでしょうか。