「瀬つきアジ」は萩市の近海でとれるマアジです。黄色味を帯びた色から別名キアジとも呼ばれます。
そもそもアジという魚は”味”のよさでその名がついたおいしさに定評がある魚ですが、中でも瀬つきアジは脂の乗りと肉の厚さから絶品!といわれています。
地元の漁師が自信をもって推奨する「プライドフィッシュ」にも選ばれ、県外にも知れ渡り人気が高まっています。
この記事では、瀬付きアジの旬や値段、特徴やおいしさの理由についてご紹介していきます。
瀬つきアジとは?旬はいつ?
瀬付きアジとは、”瀬”に居ついてしまったマアジのことです。”瀬”とは天然礁(岩礁ともいわれます)のことで、海底が起伏に富んだ複雑な地形になっています。陸上でいえば森林のようなもので、魚たちにとって格好のエサ場や隠れ場となります。
マアジはもともとエサや適度な水温を求めて広く回遊する魚です。九州の五島列島沖で生まれ、対馬暖流にのって萩沖にやってきたマアジが回遊をやめ、そのまま瀬に住みついて育ち瀬付きアジとなります。
山口県のブランド魚として認定基準を満たしたものだけが瀬付きアジと名乗ることができ、市場で価値を認められ信頼を得ています。
・ 脂質10%以上が見込まれるもの
・ 中型まき網漁業により漁獲されたもの
・ 山口県内で水揚げされたもの
瀬付きアジの特徴とおいしさの理由
瀬付きアジの特徴は、なんといっても脂の乗りと肉の厚さです。
萩市近海の瀬は島や岩礁が多く、プランクトンやシラスといったアジにとって良質のエサが豊富です。このエサをたっぷり食べることで、脂がのって肉付きのよい瀬つきアジに育ちます。
普通のアジより体の色が黄み帯びていて、黄色が濃いほど脂がのっていると見分けることができるんだそうです。
アジは鮮度が命!ということで、鮮度を保つためにとても工夫されています。
瀬付きアジは、役割の異なる4隻の船が船団を組んで行う中型まき網漁法(別名:巾着網)で漁獲されます。
灯かりで集めたアジの周りを網で取り囲み、網の下を絞りながら漁獲する方法です。
鮮度を落とさないように、網にかかったアジはすぐに「活間(いけま)」といわれる氷で冷やした海水の中に入れられます。活間は、水と氷の割合や冷え具合の見極めがとても重要で、漁師さんにとっては長年の経験と勘の見せどころです。
漁場と港が近いのも瀬付きのメリットで、主に萩港、下関港、仙崎港で水揚げされます。鮮度を保つことを最優先するため、水揚げが多い時は決められた時刻以外にもセリを開きます。
さらに、認定基準の「脂質10%以上」をチェックするためにサンプル検査も毎日行っています。
瀬付きアジのおいしさの理由は、肥え太ったアジの肉質と、水揚げ後の徹底した品質管理にあったのですね。
瀬付きアジと加工品の値段
時期や天候によって価格に変動がありますが、普通のアジが1尾150~200円なのに対して、瀬付きアジは1尾400~600円という高値で取り引きされます。
細心の注意を払い、鮮度を保った状態で出荷される瀬つきアジ。どれも新鮮ですが、購入の際は「うろこがしっかりしていて光沢のあるもの、目が澄んでいて腹に張りがあり、エラが鮮紅色のもの」を選ぶとよいそうです^^
瀬付きアジの加工品も調べてみました。こちらに紹介させていただいたものは、どれも通販で購入することができる商品です。製造元、販売所によって種類や値段が異なるものもあるかと思いますが、参考としてご覧いただけますと幸いです。
◇ 瀬つきあじ開き(一夜干し) 2枚入り 480円 ひもの処 魚健
◇ 瀬つきアジ干物 4枚入 540円 萩・井上webショップ
瀬付きアジは脂が多く肉厚なので、焼いても身がパサつかずふっくらしっとり。香ばしさと脂の乗りをお楽しみいただけます。
◇ 瀬付きあじの昆布〆 100g×6袋 3,240円 文春マルシェ
三枚おろしにした瀬付きアジを甘酢につけておぼろ昆布を載せた一品。加工品とはいえ、お刺身感覚でいただけるのが魅力です。
◇ 瀬つきあじハンバーグ 3つ入 540円 村田蒲鉾店
アジバーグ⁈と思いきや、商品は”さつま揚げ”のようです。
そのまま食べても、刻んで料理の素材にしてもおいしい!とリピーター続出の人気商品です。
瀬付きアジはどこで食べられる?
萩市内だけでも15件以上の食堂やレストランで瀬付きアジを食べることができます。
道の駅「萩しーまーと」では、瀬つきアジ料理が食べられるだけでなく、加工品も販売。
アジが旬を迎える7月には例年「瀬付きアジ祭り」を盛大に行っています。
2023年はどのようなイベントになるのか?待ち遠しいですね!
おいしい情報を逃したくないという方はこちらでチェックできます。
イベント情報やお知らせ>>>萩しーまーと萩HP
地図やアクセス、施設情報>>>道の駅萩しーまーとHP
瀬付きアジの口コミは?
それではここで、実際に瀬付きアジを召し上がった皆さんの感想をみてみましょう!
お刺身の切り口、色、艶からも鮮度の高さや脂の乗りのよさがうかがえます。新鮮なアジをフライや焼き物でいただくのもまた贅沢ですね。バーガーもタルタルソースとマッチしてナイスなお味だそうです。
まとめ
春から夏にかけて旬を迎える瀬付きアジについてご紹介しました。
残念ながら私はまだ瀬付きアジを食べたことがありません。ですが、父が釣り好きなので地元に居ついたアジ(「ぜんご」と呼ばれる小アジが多いです)を釣って帰ってくれます。それが結構おいしいのです。
「これに脂が乗って肉厚となれば、さぞおいしいだろうなぁ」と想像がつくだけに「瀬付きアジを食べてみたい!」という思いが募ります(笑)
また、アジはご存じのように食べておいしいだけでなく、健康や脳の発達に有効なDHAやEPAが豊富に含まれた魚です。この栄養素を効率よく吸収するには、生で食べるのが一番効果的とのこと。鮮度抜群の瀬付きアジはうってつけの食材といえますね^^
初夏の萩を訪れたら、日本海の海の幸「瀬付きアジ」をぜひご賞味くださいませ。