防府市には、地元の人たちがとっても大切にしている花、「エヒメアヤメ」の自生南限地帯があります。
この記事では、防府市西浦のエヒメアヤメ自生南限地帯について、場所や花、一般開放の様子をご紹介します。
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エヒメアヤメはどんな花?
4月の上旬から中旬にかけて花を咲かせる、アヤメ科の多年草なの。
直径4センチほどの小さな花は、アヤメに似て品があってとてもきれいです。
もともとエヒメアヤメは、シベリアや朝鮮半島、中国の東北部あたりの寒冷地に咲いていた植物。
日本では中国地方や四国の瀬戸内海側など、西日本地域に点々と自生しており、西日本に自生しているのは、朝鮮半島と日本が陸続きだったころの名残と言われています。
自生地は「自生南限地帯」とされ、防府のほかに下関市小串や愛媛県松山市など5ヶ所あり、国の天然記念物に指定されています。
防府のエヒメアヤメ自生南限地帯・場所は?
防府市西浦にあるエヒメアヤメ自生南限地帯は、マツダ防府工場の近くにある小高い山を切り開いた住宅地の片隅にあります。
周辺の道路のあちこちに案内の看板が出ますので、迷うことはありません。
住宅地の中をずーっと奥まで進んでいくと、自生地があります。
舗装されていない空き地が駐車場になっていますが、公開期間が短いため、土日は駐車場がいっぱいになります。
地元の方が誘導してくださいますので、案内に従ってくださいね。
防府のエヒメアヤメ自生南限地帯の様子
防府市西浦にある自生南限地帯には、およそ1700株のエヒメアヤメが自生しています。
毎年4月のはじめに一般開放されますが、ふだんはその場所に許可なく立ち入ることはできません。
昔のこの場所はアカマツとクロマツの疎林。
日当たりがよく乾燥した場所にエヒメアヤメが自生していたそうです。
また燃料として葉や下草を利用していたことから、エヒメアヤメの生育に適した環境が保たれていました。
ところが時代の移り変わりによって林が放置され、エヒメアヤメの生育に適さない土地になったことからエヒメアヤメの生育数が激減。
一時期は絶滅の危機もあったそうです。
それから地元の方々の努力により、現在のようにたくさんの可憐な花を見せてくれるようになったのです。
地元の方々や保護団体の方が日当たりがよくなるようにと下草を刈り、株が盗まれないようにしっかりと柵で管理してくださっています。
自生地帯にはエヒメアヤメだけでなく、ミツバツツジやエビネランなどの山草も自生しています。
まさに自然の宝庫。山草好きな方にはたまらないですね。
自生南限地帯を散策してみよう
自生南限地帯は広く、場所によってはかなりの斜面です。
雨の後は地面が滑りやすくなりますので、気をつけてくださいね。
スニーカーなどの歩きやすい靴でおいでくださいませ。
株の周りにはロープが張られ、株のそばには番号が書かれた札が。
こうして個体数をしっかり管理しています。
一般開放期間中は、ボランティアガイドの方がエヒメアヤメについて詳しく解説してくださいます。
エヒメアヤメへの深い愛を感じましたよ!
自生地の地面には、日付と名前が書かれたプラスチックの杭が数多く埋まっています。
これは何だろう?と思ってガイドさんに聞いてみると、新しい株の目印なのだそう。
OKが出たら、自分の名前を書いた杭を見つけた株のとなりに立ててくれますよ。
わたしと娘も新しい株を探してみました。
新しい株の見つけ方や特徴は、ガイドさんが親切に教えてくれますよ。
教えてもらってもなかなか見つけられなくて。どうにか1株だけ発見できた時は感動でした!
防府エヒメアヤメ自生南限地帯 詳細
一般開放時期:毎年4月上旬
問い合わせ先:0835-25-2532(防府市文化財課)
駐車場:あり、無料
国指定の天然記念物です。マナーを守って鑑賞くださいませ。
まとめ
今回は防府市西浦のエヒメアヤメ自生南限地帯をご紹介しました。
紫色の可憐なエヒメアヤメ。
天然記念物に指定されているとても貴重な花です。
地元の小中学校のみなさんは、エヒメアヤメについて学校で調べたり、実際に自生地に足を運んだりして、地元の宝物をより身近に感じる学習をされているそうです。
地元をあげてエヒメアヤメを大切にする意識を高めているんですね。
10日間という短い期間ですが、防府の皆さんが大切にされているエヒメアヤメを鑑賞しにいらっしゃってくださいませ。