日本最初の天神さまと言われる、山口県防府市に鎮座する防府天満宮。
千年以上の歴史を持つこの天神さまでは、一年に多くの伝統あるご神事が行われます。
今回は毎年成人の日に行われる「弓始式」を拝見してきましたので、そのいわれと様子をご紹介します。
新成人が社殿の穢れを清める・弓始式(ゆみはじめしき)
防府天満宮では毎年成人の日に、弓始式(弓始式)が執り行われます。
弓矢は、穢れ・邪気・魔・厄などを祓い清める神器として扱われており、全国の神社でも弓始は多く行われています。年の始めににふさわしい神事です。
防府天満宮の御神事は菅原道真公が弓の名手であった故事に倣ったもので、道真公は学問のみならず武事にも長けていたことに由来しています。あわせて社殿及び境内の邪気を打ち祓う神事として連綿として執り行われてきました。
以前は宮司など神職のみが弓を射ていましたが、2002年の御神忌千百年式年大祭の年を機に、一般に公開されるようになりました。
以降は未来を背負う若者たちを激励する意味も加えて、新成人の方々に参加いただき邪気祓いの弓始の神事を成人の日に執り行っています。
弓始式を拝見してきました!
13時からの神事と聞いていたのですが、おお、これは・・・。天満宮に到着した30分前にはもうたくさんのカメラマンさんがスタンバっていました。
せっかくなので一目見ようと、ちょうど同じ日に行っていた福みくじを引いたあとに、娘と待機。どうにかロープの脇に潜り込みました(笑)
始めに、拝殿内でお清めの神事が執り行われます。
神事の途中、宮司さんが拝殿の外に出てこられ、境内のお清めをされました。
中での神事が15~20分行われた後、神職の方と新成人の方々が「邪」の的に向かって弓を放ちます。
的の大きさ(直径)は1メートル10センチ。的までの距離は12メートル。
まず宮司が2射、そのあと新成人が一人2射ずつ、順番に射ていきます。
今年弓を射る新成人の方々は、弓道経験のある7人。華やかな振袖の女性が6人と袴の男性が1人でした。
わたしも娘も弓を射る姿をこんな間近で拝見するのは初めて!全く弓道がわからないので、12メートル先の的を大きな弓で射るのがどんなものなのか、さっぱりわからない・・・(;^_^A
二人そろって、ワクワクの興奮とドキドキの緊張でいっぱいです。
宮司さんが弓を引くと、空気がぴりっと引き締まります。その瞬間、観客も息をのんで静まり返ります。そして、シュバッ!という音ともに弓が放たれます。
1射は台の後方から。2射目は台の前方から射ます。
惜しくも的を外してしまいましたが、多くの人々が見守る中の緊迫感はものすごいものがあります・・・。
大勢の方々の前で堂々と弓を射る新成人の方々、見事「邪」の的に命中していました。
命中するたびに「おおお~」という感嘆の声が。
この緊張感のなかで命中させる新成人の方々、素晴らしいです!その集中力と凛とした姿に感動しました。
弓を引く瞬間の緊張感と、弓を射た後の空気のやわらぎ、そして的を射ぬいた時の清らかな空気。
ものすごく貴重な御神事を拝見させていただきました。
これで天満宮の境内も社殿も清められたことでしょうね。わたしたち親子もすがすがしい気持ちになれました。
まとめ
防府天満宮には毎月のように御神事が行われています。
古くからのいわれとともに連綿と続くその伝統行事は、防府市民の生活に密接にかかわるものも多くあります。
弓始式にはこれまであまり関心がなかったのですが、市民にとっての心の拠りどころである天満宮を清める大切な神事であることを、間近でみることでより感じることができました。
天満宮の御神事、そしてイベントを肌で感じていただきたいと思います^^