室町時代、山口を治めた大内氏は京の都を模した街づくりをすすめました。
今も山口市内には、一の坂川周辺や瑠璃光寺五重塔、常栄寺雪舟庭、サビエル記念聖堂など、当時の大内文化をしのぶ多くの名所が残されています。
なかでも、歴史情緒ある街並みを残す大殿大路にある龍福寺は、秋には紅葉が美しいスポットとして知られ、多くの人が街並み散策とともに足を運ぶ場所です。
この記事では、龍福寺の境内や紅葉の様子、駐車場やアクセスなどについてご紹介します。
龍福寺はどこにある?駐車場はどこ?
龍福寺があるのは、八坂神社や菜香亭、今八幡宮など、多くの歴史的名所が残る大殿大路。
はじめて足を運ぶ方には、少しわかりにくい場所かもしれません。
問い合わせ先:TEL 083-922-1009
御朱印:本堂右手の社務所にて頂けます。お守りもあり
※本堂には檀家の方しか入ることができません。
公式サイト:山口市観光情報サイト西の京やまぐち 龍福寺
県道204号線からの場合、竪小路の交差点を国道9号線方面へ曲がって進んで行くと、右手に龍福寺の大きな看板が見えます。
そこを右折して奥へ奥へと進んで行くと、大内氏館跡・十朋亭来場者臨時駐車場です。
龍福寺のご由緒は?
もともとは山口市の別の場所(白石地区)にありましたが、天文20年(1551年)、兵火にかかり焼失してしまいました。
その後、弘治3年(1557年)毛利元就公の長男である隆元公が大内館の跡地に、養父の大内義隆公の菩提寺として龍福寺を再興しました。
ところが明治14年(1881年)、龍福寺は火災に遭い禅堂と山門を残して焼失します。
そのため大内氏の氏寺であった天台宗興隆寺を移築したのが、今の龍福寺本堂です(平成17年から23年にかけて保存修理工事が行われ、建立当時の室町時代の姿に戻されました)。
本堂は室町時代の様式をよく表しているものとして、昭和29年に国の重要文化財に指定されてます。
龍福寺の見どころは?
秋の紅葉
龍福寺のおすすめシーズンは、秋の紅葉時期です。
例年の見ごろは、11月中旬から下旬。
ふだんは静かな龍福寺ですが、紅葉シーズンはたくさんの観光客が訪れます。
龍福寺は境内がそんなに広くないので、紅葉を見て回る場所はそんなにありません。
いちばんの見どころは、参道のモミジのトンネルです。
参道入口から山門まではおよそ80m。
両脇にはモミジが連なり、美しい紅葉のトンネルが訪れる人を出迎えてくれます。
境内から参道を眺めてみると、大内菱(おおうちびし:大内氏の家紋)の入った山門が額縁のよう。
もっと色づいていたら、歴史的建造物と紅葉の素晴らしいコラボレーションを楽しめるのでしょうね!
境内にはあまりカエデやモミジはありませんが、庭園のように美しく整えられており、自然と文化財の調和を楽しめます。
とくに、本堂とその脇にそびえる大きなイチョウの黄色のコントラストが見事ですよ。
龍福寺資料館
見事に整えられた境内を進んで行くと、本堂の左手に龍福寺資料館があります。
館内には大内義隆公の画像が3枚ありますが、そのうちの1枚が山口県有形文化財に指定。残り2枚のうちの1枚は、もう絶えてしまった益田家に伝来した、大変貴重なものなのだそうです。
大内家歴代画像も所蔵しており、大内政弘を描いた画像は龍福寺資料館でしか見ることができない貴重な資料とのこと。
ぜひ、資料館もお立ち寄りください。
開館時間: 9時~16時
入館料:高校生以上200円、小中学生150円
大内館跡
龍福寺の境内があるのは、大内氏が室町時代におよそ200年間政務を執った大内館の跡地。
境内の周辺は大内館跡としても整備されています。
大内弘世は大内御堀からこの場所に館を移し、京を模した街づくりを行いました。
館は現在の龍福寺境内とほぼ同じぐらいの面積の敷地を、堀と土塁で囲んでいたといわれています。
龍福寺のまわりは四角く道が整備され、ぐるっと周囲を巡ることができるようになっています。
大内館の土塁が復元され、西側には西門、枯山水庭園、東側には池泉庭園(ちせんていえん)や石井戸など、当時の大内館の様子がわかるように再現されています。
まとめ
大内氏の菩提寺・龍福寺をご紹介しました。
今回、紅葉が有名と聞いて足を運んでみたのですが、大内館跡としてとてもきれいに整備されてあり驚きました。
また、龍福寺のまわりには十朋亭維新館や八坂神社、今八幡宮など、大内文化や幕末の歴史を感じられる名所もたくさん。カフェなども点在しています。
龍福寺とともに、ゆっくりと大殿大路の街並みを散策していただけたらうれしいです。