夏の夜、錦帯橋がかかる錦川の水面にはかがり火が美しく輝く様子が見られます。

そのかがり火は、伝統の鵜飼によるもの。
多くの観光客が幻想的な光景を見に、夜の錦帯橋に訪れます。

今回は毎年行われている錦帯橋の鵜飼について、その歴史や鵜飼を間近で見られる遊覧船などについてご紹介します。

鵜飼とは?

鵜飼はとても歴史が古く、古事記や日本書紀にも鵜飼を歌った歌が残されています。

時の権力者である織田信長や徳川家康も見物していたとか。
伝統的な漁法であるとともに、権力者の余興でもあったのですね。

鵜飼は、小船に鵜匠と船頭が乗り込みます。
水の中の鮎が、舳先に焚かれたかがり火の光に驚いて動き回ると、うろこが光に反射。
鳥類の中でもとても視力が良い鵜は、光ったうろこを目印に素早く水中の鮎を捕えます。

鵜は喉にひもを巻かれているので、一定の大きさ以上の鮎は喉を通らないようになっています。
喉に挟まった鮎を、鵜匠が吐き出させて鮎を捕るのが鵜飼です。

錦帯橋の鵜飼の歴史

錦帯橋の鵜飼は今からおよそ380年前、江戸時代の寛永年間に始まったと言われています。
時の藩主は錦帯橋を創建した吉川広嘉(きっかわひろよし)。

苦労の末に架かった錦帯橋を背景に、鵜飼が繰り広げられていたのですね。
藩主吉川広嘉は、さぞやご満悦だったことでしょう。

江戸時代末期から一時期中断していましたが、1952年(昭和27年)に鵜飼宗家が観光鵜飼を復活させ、現在まで続いてます。

昔ながらの衣装と漁法での鵜飼漁。
闇の中かがり火に照らし出されるその様子は、幻想的でもあり、まるで江戸時代にタイムスリップしたようでもあり。
鵜飼を鑑賞し、愛でたであろう岩国藩のお殿様気分にも浸れます。

また鮎が獲れたときには、鵜匠が鮎を遊覧船に投げ込んでくれます!これには大興奮ですね。
獲れた鮎は、乗り合わせた人で分けあって持ち帰れるんだそうですよ。
とれたて新鮮な鮎のお味、楽しみですね。

錦帯橋の鵜飼・2022年の開催時期と時間は?

鵜飼が行われるのは毎年夏の夜、6月1日から9月10日まで

錦帯橋では遊覧船も運航しており、鵜飼の時期は鵜飼遊覧が運航。
手が届くような間近な場所から、錦帯橋をバックに繰り広げられる鵜飼を満喫することができます!

開催期間 2022年は6月1日~9月10日
運航時 19時~21時(約2時間)
19時~19時50分は遊覧 。
10分休憩後、20時~21時が鵜飼鑑賞となります。
料金 大人(中学生以上) 2200円(税込)
小人(小学生) 1100円(税込)
※小学生未満のお子さんは2名で1名分の小人料金になります。2歳以下は無料
乗船予約は 原則予約制です。空きがあれば直前でも乗船可能です。
8日前まではWEBからの申し込みができますが、それ以降は5日前までに電話で申し込みになります。

問い合わせ先 0827-28-2877(岩国市観光協会 鵜飼事務)

お得な遊覧船プラン・ゆかたDAY

鵜飼遊覧には、浴衣で乗船する方にお得なプラン(ゆかだDAY)が用意されています。

2022年のゆかだDAY開催日は、2022年6月12日・25日、7月14日、8月3日・31日となっています。
また、「たなばた鵜ィーク」と題して、7月1日~7日の一週間は、特別イベントを開催予定です。

自前の浴衣を着てこられるか、浴衣を持参のうえ着付けをお願いするか、浴衣をレンタルして着付けもお願いするか、でプラン(料金)が異なります。

Aプラン 自前の浴衣を着て乗船 3,200円(税込)
小学生2200円(税込)
Bプラン 自前の浴衣を持参、着付けしてもらって乗船
4,200円(税込)
Cプラン 浴衣レンタル、着付けしてもらって乗船
5,200円(税込)

「吉香 鵜の里」で鵜について学ぼう

錦帯橋を渡って奥へ進んだところにある「岩国シロヘビの館」のすぐ近くに、鵜の飼育施設「吉香 鵜の里」があります。

こちらの施設は2017年3月にオープンし、なんと見学は無料。
金網越しに日中の鵜の様子を間近で見ることができます。

鵜匠さんとのトレーニングの様子やエサやりの様子もタイミングが良ければ見ることができる飼育スペースも。
さらにはプールもあるので、水中を泳ぐ鵜の様子も観察できますよ!

休憩室の大型モニターには鵜飼についての解説映像も流れ、鵜飼について学ぶことができます。
こちらの施設、鵜飼遊覧を楽しむ前にぜひご覧いただきたいですね。

吉香 鵜の里

所在地、問い合わせ先 岩国市横山2丁目6
TEL 0827-29-5116
営業時間 年中無休、9時から17時まで
その他 トイレ(多目的トイレ)、授乳室、無料Wi-Fiあり

まとめ

伝統ある錦帯橋の鵜飼、鵜飼遊覧についてご紹介しました。
豊かな自然と素晴らしい名勝である錦帯橋、そして鵜と人との信頼関係。それらがあることによって成り立つ錦帯橋の鵜飼は、きっと見る人の心を惹きつけることでしょう。

より多くの方に錦帯橋に足を運んでいただき、鵜飼を通して岩国の自然、人、歴史を肌で感じていただけたらと思います。
ぜひ昼間の錦帯橋だけでなく、夜の錦帯橋を鵜飼とともにお楽しみくださいませ。