「岩国寿司」をご存じでしょうか?

山口県で有名な「ふく料理」と並んで「全国郷土料理百選」に選ばれているのが、岩国市周辺に伝わる「岩国寿司」です。

地元岩国では、お祝い事や人が集まる時など”特別な日”に欠かせない一品。観光客にも人気があり、ご当地料理として今でも多くの人々に親しまれています。

この記事では、岩国寿司の歴史と「殿様寿司」と呼ばれる由来、本格的な岩国寿司を食べさせてくれるお店や家庭で楽しめるレシピについてご紹介していきます。

 

岩国寿司ってどんなお寿司?

 


岩国寿司は、ちらし寿司のように彩りよく具材が乗った押し寿司で、酢飯と具材が交互に重ねられ、仕上がりが層になっているのが特徴です。

作り方は、専用の木枠にちしゃなどの葉を敷いて、その上にすし飯を敷き詰め、錦糸卵、岩国レンコン、しいたけ、春菊、でんぶといった具を乗せます。

これを数段繰り返し、重しを乗せてしっかりと押し(人が踏み固めることもあります)、1層または2層を切り分けていただきます。

正式な作り方では、、1層につき1升のお米を使って5層に仕上げます。5升分のご飯を使うと出来上がりの総重量は20㎏近くにもなります。

みかちゃん
みかちゃん
ご飯1合を2人前とすると、一度に100人前のお寿司が出来上がるのね。豪快だわ~
つぶた
つぶた
すごいや!僕、お腹いっぱい食べれるね

 

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岩国寿司の起源と歴史

岩国寿司の歴史を調べてみると、豪快なお寿司が生まれた理由もわかりました。

<岩国城>

その昔、江戸時代に岩国藩の拠点となった岩国城は、山の地形を利用して築かれた山城で、標高約200メートルに位置していました。

水の入手が困難な立地だったことから、料理にも工夫が必要でした。
そこで、初代藩主・吉川広家が料理番に命じて考案させたのが「岩国寿司」で、そのルーツは大阪の「箱寿司」にあると考えられています。

ご飯を酢飯にして、しっかりと押し固めることで保存性を高め、藩に仕える大勢の武士たちを賄えるように大量に作るという工夫によって生まれたのですね。

みかちゃん
みかちゃん
木枠で一度に作れば、”おにぎり”よりも手間がかからないわね。保管にも便利だし、とても合理的な料理ともいえるわね。

その後、明治時代になってからは武士以外の人達も食べられるようになって、岩国の郷土料理として広まっていきます。

大正から昭和にかけては、岩国でお寿司といえば握り寿司や巻きずしでなく「岩国寿司」だったといわれるほど、家庭で一般的に作られていたそうです。

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別名「殿様寿司」と呼ばれる由来

岩国藩の”殿様”の命によってつくられたこと、当初は武士の間でしか食べられなかった料理であったことから「殿様寿司」と呼ばれるようになったという説が一般的ですが、岩国寿司が「藩主(殿様)」への献上品として作られたからという言い伝えもあります。

つぶた
つぶた
豪快で華やかな岩国寿司は、お寿司の「お殿様」みたいだよ。

 

岩国寿司、どこで食べられる?

岩国の観光名所の一つ錦帯橋付近の料理屋さんや旅館で味わうことが出来るほか、地元のスーパーやお惣菜のお店でも手軽に入手できます。

お店によって酢飯や具材が異なるので、食べ比べをしてみるのもいいですね。

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本格的な岩国寿司を頂けるお店はこちら。

【三原屋】

岩国寿司を最初に藩主に献上したのが初代三原家といわれていて、300年以上守り続けている伝統の味を味わうことが出来ます。

>>>元祖岩国寿司の宿三原屋

【半月庵】

お昼ご飯に立ち寄りで岩国寿司を頂けます。
毎朝、4升で144ケを一度に作っているそうです。本格的な岩国寿司を気軽に頂けるのは嬉しいですね。

>>>料亭・旅館 半月庵

 

岩国寿司の作り方

岩国寿司について調べていると、家庭で作れるレシピがいろいろと紹介されていたので<作り方>をまとめてみました。

<準備するもの>
:タッパーや玉子豆腐器、ケーキ型、牛乳パックなど家にあるものを利用
食材:酢飯、具材(薄切りレンコンの煮もの、または甘酢れんこん、千切り干しシイタケの甘煮、ゆでた春菊、錦糸卵、でんぶ)
<作り方>
・ 型にラップを敷いて、酢飯を敷き詰めて具材をのせます。
・ これを型の高さに応じて数段繰り返して層にします。
・ 表面をラップで覆い、重しを乗せて押し固めます。
・ しっかり固まったら、型から出して切り分けたら完成です!



お好みで、煮アナゴ、ゆでエビ、花形人参、きぬさやなどを加えてハレの日の豪華な一品に仕上げるのもいいですね。

みかちゃん
みかちゃん
親子で作るのも楽しそうね♪

つぶた
つぶた
僕も作ってみたいな♪♪

まとめ

歴史ある郷土料理「岩国寿司」についてご紹介しました。

華やかで彩り豊かな岩国寿司が、もともとは戦に備えての保存食だったなんて驚きでした。
江戸時代に生まれ、今なお作り継がれ愛され続けている伝統料理を、本場岩国で錦帯橋を眺めながら味わってみたいです。